100かいだてのいえ/いわい としお

いわいとしおの『100かいだてのいえ』は、2008年に発行されたユニークな縦長の絵本です。主人公の少年が一通の手紙を受け取り、100階建ての家を訪れる冒険が始まります。各階に住む動物たちとの出会いを通じて、個性豊かな住まいや暮らしの工夫が描かれており、読む人をわくわくさせます。縦にページをめくる特別な形式は、読者にまるで本の中を登っているかのような体験を提供します。細部までこだわった美しいイラストと、シンプルながら引き込まれるストーリーが魅力の一冊です。親子で楽しめる作品として、多くの読者から愛されています。

略歴

いわい としお(本名:岩井俊雄)は、1962年に愛知県で生まれたメディアアーティストであり、絵本作家です。大学入学後の1985年、作品「時間層II」で第17回現代日本美術展大賞を最年少で受賞し、注目を集めました。その後、国内外の美術展で観客参加型のインタラクティブな作品を発表し、メディアアートの第一人者として活躍しています。テレビ番組『ウゴウゴルーガ』のキャラクターデザインや、三鷹の森ジブリ美術館の展示「トトロぴょんぴょん」「上昇海流」の制作、ニンテンドーDS用ソフト『エレクトロプランクトン』の開発など、多岐にわたる分野で活動しています。また、ヤマハと共同開発した音と光を奏でる楽器『TENORI-ON』や、NHK教育の幼児番組『いないいないばぁっ!』のオープニングアニメーションも手がけています。著書には『いわいさんちへようこそ!』や「100かいだてのいえ」シリーズなどがあり、親子で楽しめる作品として広く親しまれています。

おすすめ対象年齢

『100かいだてのいえ』は、主に3歳から小学校低学年(7〜8歳)までの子どもを対象とした絵本です。シンプルで親しみやすいストーリーと、動物たちの個性あふれる暮らしを描いた細かなイラストが、小さな子どもにも興味を引きつけます。また、縦長のページ構成が特徴的で、物語に登場する「100階」という数字や階層の変化を楽しむことができ、数字や順番に興味を持ち始める年齢層にも最適です。親子で一緒に読むのにもぴったりの作品です。

レビュー

『100かいだてのいえ』は、独創性と楽しさにあふれる絵本だと感じました。縦に開くというユニークな形式は、読者に物語の世界を実際に「登っている」ような感覚を与え、子どもたちにとって新鮮で刺激的です。各階に住む動物たちの暮らしが細やかに描かれており、一つ一つの階で発見があるため、ページをめくるたびにワクワク感が続きます。シンプルなストーリーでありながら、動物たちの多様な暮らしぶりが奥深さを加えており、大人も子どもと一緒に楽しめます。また、数字や構造を通じて学びの要素も含まれており、親子のコミュニケーションツールとしても最適です。全体的に、創造力を掻き立てる素晴らしい絵本だと感じます。

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