しっこっこ/西内 ミナミ

西内ミナミ作、和歌山静子がイラストを手がけた絵本『しっこっこ』は、1999年に偕成社から出版されました。この作品は、幼児の素朴な疑問をリズミカルな言葉と温かみのあるイラストで描き、トイレトレーニング中の子どもたちに特におすすめです。虫や動物たちが「しっこっこ」する様子を通じて、子どもたちに身近な生理現象を楽しく学ばせてくれます。和歌山静子の柔らかなタッチの絵が物語を引き立て、親子での読み聞かせに最適な一冊となっています。

略歴

西内ミナミ

西内ミナミ(1938年生まれ)は京都市出身の絵本作家です。東京女子大学に進学。在学中から児童文学の創作を志し、卒業後は広告会社で約10年間コピーライターとして勤務しました。
その後、堀内誠一氏の勧めで絵本制作に取り組み、1966年に初の絵本『ぐるんぱのようちえん』を発表。以降、『おもいついたらそのときに!』や『しっこっこ』など、多数の作品を手がけました。

和歌山 静子

和歌山静子(わかやま しずこ,1940年 – 2024年)は、京都府京都市生まれの挿絵画家・絵本作家です。​幼少期を函館市で過ごし、武蔵野美術短期大学デザイン美術科を卒業後、フリーのデザイナーやイラストレーターとして活動を開始。​1966年、児童文学者の寺村輝夫に見出され、『こびとのピコ』の挿絵を担当したことを機に、寺村作品の多くを手掛けるようになりました。​代表作には『王さまシリーズ』や『おおきなちいさいぞう』などがあり、1980年に『あいうえおうさま』で絵本にっぽん賞、1982年に講談社出版文化賞を受賞しています。

おすすめ対象年齢

西内ミナミ作『しっこっこ』の対象年齢は、主に3歳から4歳頃の未就学児です。この絵本は、リズミカルな言葉とシンプルで親しみやすいイラストが特徴で、小さな子どもでも理解しやすい内容になっています。特に、トイレトレーニングの時期にぴったりで、子どもたちが「おしっこ」に親しみを持ちながら自然に学べる構成です。読み聞かせにも最適で、言葉のリズムや楽しい動物たちの姿に、赤ちゃんから幼児まで幅広い年齢層が興味を持つことができます。

レビュー

この絵本は、子どもの視点を丁寧に汲み取った温かみのある作品だと感じます。特に日常の自然な生理現象をテーマにしながら、ユーモアと親しみやすさを持たせている点が印象的です。和歌山静子さんの優しく柔らかなイラストは、物語に命を吹き込み、子どもたちの興味を引きつける力があります。また、西内ミナミさんのリズミカルでテンポの良い文章が、子どもたちの心に響きやすく、読み聞かせの際に楽しい雰囲気を生み出します。この絵本は、トイレトレーニングという親子にとって大切な時期をサポートしつつ、笑顔と安心感を与えてくれる作品です。全体を通して、子どもの成長を温かく見守る視点が伝わり、親子で繰り返し楽しめる一冊だと思います。

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