ふくろをかえたいおせんべいくん/ホソカワ レイコ

『ふくろをかえたいおせんべいくん』は、ホソカワ レイコ作・絵による絵本で、2024年にPHP研究所から発行されました。
物語は、透明な袋に入れられたおせんべいくんが、カラフルでかわいい袋に憧れ、自分に似合う袋を探すために町へ出かける冒険を描いています。スーパーや洋菓子屋さんで様々なお菓子のパッケージを見て回りますが、最終的に自分の透明な袋の良さに気づくという自己発見のストーリーです。細部まで描かれたイラストや多彩なお菓子のパッケージが魅力的で、読者を引き込む作品となっています。

略歴

ホソカワ レイコ(細川礼子)さんは、1982年兵庫県生まれの絵本作家です。京都精華大学芸術学部デザイン学科を卒業後、パッケージデザイナーとしてのキャリアを積み、その後フリーランスとして活動を開始しました。学生時代から絵本の世界に興味を持ち、息子たちの姿に触発されて絵本制作を再開。2021年度の第38回日産童話と絵本のグランプリ絵本の部で、『みかんきょうだいのたんけん』が大賞を受賞し、2022年12月にBL出版から刊行されました。続いて、2024年には『ふくろをかえたいおせんべいくん』をPHP研究所から発行しています。彼女の作品は、日常の風景や身近な題材をユニークな視点で描き、細部まで丁寧に表現されたイラストが特徴です。また、2024年10月には兵庫県立但馬文教府で原画展を開催するなど、精力的に活動を続けています。

おすすめ対象年齢

『ふくろをかえたいおせんべいくん』は、4歳から6歳の幼児を主な対象としています。シンプルでわかりやすいストーリーと、カラフルで細部まで描かれたイラストが、小さな子どもたちの興味を引く内容となっています。また、自己肯定感や自分らしさの大切さをテーマにしており、成長過程の子どもたちにとって共感しやすい内容です。

レビュー

『ふくろをかえたいおせんべいくん』は、自己探求と自己受容をテーマにした心温まる絵本です。おせんべいくんが自分の袋に不満を抱き、理想の袋を探す旅に出る姿は、自己の価値を見つめ直す過程を象徴しています。最終的に自分の透明な袋の良さに気づく展開は、自己の本質を受け入れることの大切さを教えてくれます。また、ホソカワ レイコさんの緻密で色彩豊かなイラストは、物語の世界観を豊かに表現しており、子どもだけでなく大人も楽しめる作品です。読み終えた後に、自己肯定感や自分らしさについて考えさせられる一冊であり、親子での読み聞かせにも最適です。

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