アヒルかも! ウサギかも!/エイミー・クラウス・ローゼンタール

『アヒルかも! ウサギかも!』は、エイミー・クラウス・ローゼンタール作、トム・リヒテンヘルド絵、せきねみつひろ訳による絵本です。原作は『Duck! Rabbit!』で、2009年にアメリカで発行されました。日本語版は2021年に光文社から出版されています。この絵本は、見る人の視点によってアヒルにもウサギにも見えるイラストを通じて、物事の見方や考え方の多様性を楽しく学べる内容となっています。シンプルなイラストとユーモラスなやり取りが特徴で、子どもから大人まで楽しめる作品です。

略歴

エイミー・クラウス・ローゼンタール

エイミー・クラウス・ローゼンタール(Amy Krouse Rosenthal、1965年生まれ)は、アメリカの作家、映画製作者、ラジオ番組のホストとして知られています。彼女は子ども向けから大人向けまで幅広いジャンルで執筆し、その温かみとユーモアに満ちた作品は多くの人々に愛されています。
彼女の代表的な児童書には、『おかあさんはね』、『スプーンくん』や『アヒルかも! ウサギかも!』などがあり、これらの作品は日本でも翻訳・出版されています。 また、彼女の作品の多くはニューヨーク・タイムズのベストセラーリストにランクインし、その独特の視点と創造性で高く評価されており、『ぼくはびっくりマーク』で2015年のカリフォルニア・ヤングリーダー・メダルを受賞しています。
2017年、彼女は51歳で卵巣癌により逝去しました。闘病中、彼女はニューヨーク・タイムズにエッセイ「You May Want to Marry My Husband」を寄稿し、大きな話題を呼びました。 このエッセイは、彼女の夫への深い愛情と別れのメッセージとして、多くの読者の心を打ちました。
エイミー・クラウス・ローゼンタールの作品は、彼女の死後も多くの人々に読み継がれ、そのメッセージは今なお多くの人々の心に響いています。

トム・リヒテンヘルド

トム・リヒテンヘルド(Tom Lichtenheld)は、アメリカのイラストレーター、作家として知られています。ウィスコンシン大学を卒業後、ミネアポリスの広告会社に16年間勤務し、広告業界で数々の賞を受賞しました。その後、フリーランスとなり、絵本制作に取り組む時間を持つようになりました。2000年には、初の絵本『Everything I Know about Pirates』を発表し、絵本作家としてのキャリアをスタートさせました。
彼の作品は、ユーモアと創造性に富んでおり、子どもたちだけでなく大人にも愛されています。邦訳された作品には、『アヒルかも! ウサギかも!』や『おやすみ、はたらくくるまたち』、『よるのきかんしゃ、ゆめのきしゃ』などがあります。これらの作品は、日本でも多くの読者に親しまれています。
また、エイミー・クラウス・ローゼンタールとの共作、『おかあさんはね』や『ぼくはびっくりマーク』など、心温まる作品を数多く手掛けています。

おすすめ対象年齢

この絵本は、3歳から5歳以上の子どもを対象としています。シンプルなイラストとわかりやすい文章で構成されており、小さな子どもでも楽しめる内容です。また、物事の見方の違いをテーマにしているため、親子での読み聞かせや、視点の多様性を学ぶ教材としても適しています。

レビュー

『アヒルかも! ウサギかも!』は、シンプルながら奥深いテーマを持つ絵本です。見る人の視点によって異なるものに見えるイラストは、物事の捉え方が人それぞれであることを教えてくれます。子どもたちはもちろん、大人にとっても新たな発見や気づきを与えてくれる作品です。読み聞かせの際には、子どもたちと一緒に「これはアヒルかな? ウサギかな?」と話し合いながら楽しむことができ、コミュニケーションの幅を広げるきっかけにもなります。また、物事の多様な見方を学ぶことで、柔軟な思考や想像力を育む助けとなるでしょう。

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