3びきのくま/イギリス民話

いもとようこさんが絵と訳を手がけた絵本『3びきのくま』は、イギリスの民話を基にした作品で、2006年に金の星社から出版されました。物語は、森に住むくまの一家が留守の間に、家に迷い込んだ女の子が、くまたちのスープや椅子、ベッドを試すという内容です。いもとさんの温かみのあるはり絵が、物語の魅力を引き立てています。この絵本は、繰り返しの表現が多く、小さな子どもたちにも理解しやすい構成となっています。

イギリス民話

イギリスの民話は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの伝統的な物語や伝説で、地域文化や自然環境を反映しています。善悪や知恵をテーマにした教訓的な内容が多く、妖精や魔法使いなどの超自然的要素が特徴です。代表的な物語には「3匹の子ぶた」「ジャックと豆の木」「ロビン・フッド」などがあり、これらは児童文学や映画にも影響を与えています。イギリス民話は、伝統を伝えると同時に、現代でも世界中で愛されています。

略歴

いもとようこ

いもとようこさん(本名:井本蓉子)は、1944年兵庫県生まれの絵本作家・挿絵画家です。金沢美術工芸大学油絵科を卒業後、小学校教員を経て絵本の世界に入りました。独自の貼り絵技法で温かみのある作品を多数手がけ、出版された絵本は400冊以上にのぼります。主な受賞歴として、1985年度『ねこの絵本』、1986年度『そばのはなさいたひ』でボローニャ国際児童図書展エルバ賞を2年連続受賞しています。ちぎった和紙の貼り絵に着色する独自の技法で、柔らかく温かな表情の人物や動物を描き、創作童話や日本の昔話、世界の名作など多くの絵本を手がけ国際的にも高く評価されています。

おすすめ対象年齢

おすすめ対象年齢は繰り返しの表現やシンプルなストーリー展開から、3歳以上の子どもたちに適していると考えられます。また、親子での読み聞かせにも最適な内容です。

レビュー

この絵本を読んで、いもとようこさんの優しいはり絵と、親しみやすいストーリーが心に残りました。くまの家族と女の子のやり取りが微笑ましく、特に繰り返しの表現が子どもの興味を引きつけると感じました。また、サイズの違いを通じて、大小の概念を自然に学べる点も魅力的です。全体的に、温かみのある絵とシンプルな物語が調和し、親子で楽しめる一冊だと思います。

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