
『バーバパパのだいサーカス』は、アネット・チゾンとタラス・テイラーによる絵本で、やましたはるおさんが翻訳を担当しています。フランスで発行された原作のタイトルは『Barbapapa’s Big Circus』。日本語版は1979年発行です。物語は、町を訪れたサーカスが去ってしまい、落胆する子どもたちのために、バーバパパ一家が自らサーカスを開催するという内容です。彼らは体の形を自由に変える能力を活かし、ユニークで楽しいショーを繰り広げます。
略歴
アネット・チゾン
アネット・チゾン(Annette Tison)は1942年フランスのオスソール生まれ。彼女は建築家としての訓練を受け、1965年にエコール・スペシャル・デ・アーキテクチュールを卒業しました。その後、彼女は建築設計事務所で働きながら、1970年代にアメリカ人の夫タラス・テイラーと共に「バーバパパ」シリーズを生み出しました。バーバパパのユニークなキャラクターとその周囲の世界は彼女の子供時代の思い出や、彼女が子供たちと共に過ごした時間からインスピレーションを得ています。アネットは「バーバパパ」シリーズの成功により、世界中で愛されるキャラクターを作り上げました。
タラス・テイラー
タラス・テイラー(Talus Taylor)はアメリカ出身の作家で1942年生まれ。彼はアネット・チゾンと共に「バーバパパ」シリーズを共同制作し、このシリーズの成功に大きく貢献しました。タラスは子供向けの絵本やアニメーションを作成することに情熱を持ち、彼の創造力とクリエイティブな才能は「バーバパパ」シリーズの魅力を一層引き立てました。彼はまた、アネットと共に多くの著作を発表し、世界中の子供たちに喜びと楽しさを提供しました。
やましたはるお(訳)
山下明生(やました はるお)氏は、1937年、東京に生まれ瀬戸内海の広島県能美島で育ちました。広島県立大柿高等学校を経て、京都大学文学部仏文学科を卒業後、上京してあかね書房に入社し、児童書の編集に携わりました。その後、同人誌「こだま」に参加したことを機に創作活動に専念します。1973年に『うみのしろうま』で野間児童文芸推奨作品賞、1975年に『はんぶんちょうだい』で小学館文学賞を受賞するなど、多くの作品で高い評価を得ています。また、「バーバパパ」シリーズの翻訳者としても知られています。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、3歳から5歳以上とされています。幼児から小学生まで楽しめる内容で、親子での読み聞かせにも最適です。
レビュー
バーバパパたちが体の形を自在に変えてサーカスを演じる姿は、子どもたちの想像力を刺激し、読者を物語の世界に引き込みます。シンプルながらもカラフルで親しみやすいイラストは、幼い読者にも理解しやすく、物語の楽しさを引き立てています。また、バーバパパ一家の協力や創造性を通じて、仲間と力を合わせることの大切さや、困難を乗り越える工夫の重要性を自然に学ぶことができます。親子で一緒に読むことで、コミュニケーションのきっかけにもなり、家族の絆を深める一冊と言えるでしょう。