
『バーバパパのがっこう』は、アネット・チゾンとタラス・テイラーによる絵本で、山下明生さんが翻訳を担当しています。原作のフランス語タイトルは『L’école de Barbapapa』で1976年にフランスで発行されました。日本語版も同年に出版されています。物語は、授業に興味が持てない子どもたちのために、バーバパパ一家が新しい学校を作るという内容です。自由で創造的な授業を通じて、子どもたちに学ぶ楽しさや協力の大切さを伝えます。個性豊かなキャラクターと鮮やかなイラストが子どもたちの心をつかむ作品です。
略歴
アネット・チゾン
アネット・チゾン(Annette Tison)は1942年フランスのオスソール生まれ。彼女は建築家としての訓練を受け、1965年にエコール・スペシャル・デ・アーキテクチュールを卒業しました。その後、彼女は建築設計事務所で働きながら、1970年代にアメリカ人の夫タラス・テイラーと共に「バーバパパ」シリーズを生み出しました。バーバパパのユニークなキャラクターとその周囲の世界は彼女の子供時代の思い出や、彼女が子供たちと共に過ごした時間からインスピレーションを得ています。アネットは「バーバパパ」シリーズの成功により、世界中で愛されるキャラクターを作り上げました。
タラス・テイラー
タラス・テイラー(Talus Taylor)はアメリカ出身の作家で1942年生まれ。彼はアネット・チゾンと共に「バーバパパ」シリーズを共同制作し、このシリーズの成功に大きく貢献しました。タラスは子供向けの絵本やアニメーションを作成することに情熱を持ち、彼の創造力とクリエイティブな才能は「バーバパパ」シリーズの魅力を一層引き立てました。彼はまた、アネットと共に多くの著作を発表し、世界中の子供たちに喜びと楽しさを提供しました。
やましたはるお(訳)
山下明生(やました はるお)氏は、1937年、東京に生まれ瀬戸内海の広島県能美島で育ちました。広島県立大柿高等学校を経て、京都大学文学部仏文学科を卒業後、上京してあかね書房に入社し、児童書の編集に携わりました。その後、同人誌「こだま」に参加したことを機に創作活動に専念します。1973年に『うみのしろうま』で野間児童文芸推奨作品賞、1975年に『はんぶんちょうだい』で小学館文学賞を受賞するなど、多くの作品で高い評価を得ています。また、「バーバパパ」シリーズの翻訳者としても知られています。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、3歳から5歳以上とされています。ユニークなキャラクターと親しみやすいストーリーは、小さな子どもたちの関心を引きつけます。特に、自由な学びの楽しさを描いているため、保護者が子どもに読み聞かせるのに適しています。幅広い年齢層が楽しめる作品で、読み聞かせから一人読みまで活用できます。
レビュー
『バーバパパのがっこう』は、子どもたちに学ぶことの楽しさや自由な発想の素晴らしさを伝える絵本です。伝統的な学校の枠にとらわれない、新しい形の学びを描くことで、教育への別の視点を提供しています。カラフルで親しみやすいイラストは、物語の中で展開されるユニークな授業風景をより魅力的に見せています。また、子どもたちの個性を尊重するメッセージが込められており、親子で話し合うきっかけになるでしょう。読み聞かせとして楽しむだけでなく、学びの意味や友だちと協力する楽しさについて考える機会を与えてくれる一冊です。