バーバパパのたんじょうび/アネット・チゾン,タラス・テイラー

『バーバパパのたんじょうび』は、アネット・チゾンとタラス・テイラーによる絵本で、山下明生さんが翻訳を担当しています。本書は1997年に講談社から出版されました。「バーバパパ」シリーズはフランスで生まれた作品です。本作では、バーバパパの誕生日を祝うために、バーバママと子供たちがケーキ作りに挑戦しますが、失敗を重ねてしまいます。それでも、優しいバーバパパは大喜びし、二人の温かい関係が描かれています。

略歴

アネット・チゾン

アネット・チゾン(Annette Tison)は1942年フランスのオスソール生まれ。彼女は建築家としての訓練を受け、1965年にエコール・スペシャル・デ・アーキテクチュールを卒業しました。その後、彼女は建築設計事務所で働きながら、1970年代にアメリカ人の夫タラス・テイラーと共に「バーバパパ」シリーズを生み出しました。バーバパパのユニークなキャラクターとその周囲の世界は彼女の子供時代の思い出や、彼女が子供たちと共に過ごした時間からインスピレーションを得ています。アネットは「バーバパパ」シリーズの成功により、世界中で愛されるキャラクターを作り上げました。

タラス・テイラー

タラス・テイラー(Talus Taylor)はアメリカ出身の作家で1942年生まれ。彼はアネット・チゾンと共に「バーバパパ」シリーズを共同制作し、このシリーズの成功に大きく貢献しました。タラスは子供向けの絵本やアニメーションを作成することに情熱を持ち、彼の創造力とクリエイティブな才能は「バーバパパ」シリーズの魅力を一層引き立てました。彼はまた、アネットと共に多くの著作を発表し、世界中の子供たちに喜びと楽しさを提供しました。

やましたはるお(訳)

山下明生(やました はるお)氏は、1937年、東京に生まれ瀬戸内海の広島県能美島で育ちました。広島県立大柿高等学校を経て、京都大学文学部仏文学科を卒業後、上京してあかね書房に入社し、児童書の編集に携わりました。その後、同人誌「こだま」に参加したことを機に創作活動に専念します。1973年に『うみのしろうま』で野間児童文芸推奨作品賞、1975年に『はんぶんちょうだい』で小学館文学賞を受賞するなど、多くの作品で高い評価を得ています。また、「バーバパパ」シリーズの翻訳者としても知られています。

おすすめ対象年齢

この絵本の対象年齢は、3歳から5歳以上とされています。物語の内容やイラストが幼児の興味を引き、理解しやすい構成となっているため、この年齢層の子どもたちに適しています。また、親子で一緒に読むことで、家族の絆や思いやりの大切さを学ぶ良い機会となるでしょう。

レビュー

『バーバパパのたんじょうび』は、失敗を繰り返しながらも最終的に家族で楽しい時間を共有する物語が魅力的です。バーバママがメリケン粉をかぶる場面や、子どもたちがケーキをつまみ食いするエピソードなど、ユーモアたっぷりの展開が続き、小さな読者の笑いを誘います。それでも家族全員が協力して最終的に誕生日を祝う様子は、温かい感動を与えてくれます。この絵本は、笑いの中に「どんな失敗も愛で包み込む」という大切なメッセージが込められており、親子で何度でも楽しめる一冊です。カラフルなイラストは物語をさらに魅力的にしており、小さな子どもたちにも大きな印象を与えることでしょう。

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