まついのりこさん作の絵本『とっとこ とっとこ』は、2003年に童心社から出版されました。この絵本では、ねこさんが靴を履いて「とっとこ とっとこ」と歩き始め、次々にありさん、ぶたさん、かえるさん、へびさん、そしてロボットさんなど、さまざまなキャラクターが登場し、それぞれが「とっとこ とっとこ」と歩く様子が描かれています。リズミカルな言葉の繰り返しと、切り絵のようなシンプルで可愛らしいイラストが特徴で、小さな子どもたちにも親しみやすい内容となっています。最後は「またあしたね」という言葉で締めくくられ、読後感も温かく、繰り返し読みたくなる一冊です。
略歴
まついのりこ
まつい のりこ(1934年生まれ)は、日本の絵本作家・紙芝居作家です。和歌山県和歌山市で生まれ、和歌山大学学芸学部を卒業後、東京で小学校の図工教員として勤務しました。子育てを通じて絵本に関心を持ち、28歳で武蔵野美術大学に入学し、卒業後に絵本作家としての活動を開始しました。
1976年には絵本『ころころぽーん』でボローニャ世界児童図書展エルバ賞を受賞し、紙芝居『おおきくおおきくおおきくなあれ』では高橋五山賞を受賞しています。また、紙芝居の普及活動にも力を入れ、「紙芝居文化の会」の代表を務めました。1991年からはベトナムでの紙芝居普及支援活動を行い、その功績によりベトナム文化功労賞を受賞しています。
代表作には『じゃあじゃあびりびり』や『かずのほん』、『とけいのほん』などがあり、これらの作品は長年にわたり多くの読者に親しまれています。2017年2月12日に82歳で逝去されました。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は2歳からとされています。リズミカルな言葉の繰り返しとシンプルなイラストは、言葉を覚え始めた幼児に適しており、読み聞かせを通じて言語感覚やリズム感を育むのに役立ちます。また、動物たちが順番に登場する構成は、子どもたちの興味を引きつけ、集中力を養う助けにもなります。
レビュー
『とっとこ とっとこ』は、シンプルながらもリズミカルな言葉と可愛らしいイラストが印象的な絵本です。動物たちが次々と登場し、それぞれが「とっとこ とっとこ」と歩く様子は、子どもたちにとって楽しく、読み聞かせの際には一緒に声に出して楽しむことができます。特に、靴を履いて歩くことに興味を持ち始めた子どもには、自分自身の体験と重ね合わせて楽しめる内容となっており、親子のコミュニケーションを深める一冊としておすすめです。