『はたらくくるまたちのかいたいこうじ』は、シェリー・ダスキー・リンカーが文を、AG・フォードが絵を手掛け、福本友美子さんが翻訳した絵本です。原作のタイトルは『Construction Site: Mission Demolition!』で、2020年にアメリカで発行されました。日本語版は、福本友美子さんの翻訳により、同年にひさかたチャイルドから出版されています。内容は、工事現場で働く車たちが協力して古い建物の解体作業に取り組む様子を描いており、チームワークの大切さや働く車の魅力を伝える作品です。
略歴
シェリー・ダスキー・リンカー
シェリー・ダスキー・リンカー(Sherri Duskey Rinker)は、アメリカ・イリノイ州在住の作家です。幼少期、祖母が読んでくれたバージニア・リー・バートンの乗り物絵本に親しみ、乗り物への関心を深めました。結婚後、夫と二人の息子と共に暮らし、息子たちが幼い頃、寝る前に静かに眠りにつくことを願って『おやすみ、はたらくくるまたち』を執筆しました。この作品は、ニューヨークタイムズ紙のベストセラーリストで第1位を獲得し、日本でも15万部を超える人気絵本となりました。他の作品には、『よるのきかんしゃ、ゆめのきしゃ』や「はたらくくるまたち」シリーズなどがあり、いずれも働く乗り物をテーマにした心温まる物語で、多くの読者に親しまれています。
AG・フォード(絵)
AG・フォードは、ニューヨークタイムズのベストセラー児童書イラストレーターであり、NAACPイメージ・アワードを2度受賞しています。テキサス州ダラスで育ち、幼少期から絵を描くことに才能を示していました。コロンバス美術デザイン大学でイラストレーションを専攻し、卒業後は児童書のイラストレーターとして活躍しています。これまでに30冊以上の児童書を手掛けており、絵本やチャプターブック、ヤングアダルト向けの表紙など、多岐にわたる作品を制作しています。彼の共作にはシェリー・ダスキー・リンカーとの「はたらくくるまたち」シリーズ、その他多くの著名人との共作があります。現在、テキサス州にて妻と二人の息子と共に暮らしています。
福本 友美子(訳)
福本友美子(ふくもと ゆみこ、1951年東京都生まれ)は、慶應義塾大学文学部図書館・情報学科を卒業後、調布市立図書館で児童サービスに携わりました。1980年からフリーランスで児童書の翻訳や批評、編集に取り組み、英語圏を中心とした児童文学の翻訳に定評があります。代表作に『おすわりくまちゃん』や『おやすみくまちゃん』、『リディアのガーデニング』などがあります。また、国際子ども図書館の活動やケニアでの図書館設立プロジェクトにも貢献し、子どもの読書普及や翻訳を通じて幅広く活動を続けています。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、おおよそ3歳から5歳程度です。特に、働く車が好きな子どもにはぴったりの絵本です。リズミカルな文章が読み聞かせに適しており、小さな子どもでも親しみやすい構成になっています。また、工事車両たちの可愛らしい表情や温かいストーリーは、乗り物好きの幼児に特におすすめです。
レビュー
本書は、働く車たちが協力して解体工事を進める姿を、迫力あるイラストとともに描いており、子どもたちの興味を引きつけます。特に、重機が建物を壊すシーンは圧巻で、実際の工事現場を想像させる描写が魅力的です。また、解体後の資材をリサイクルする場面もあり、環境への配慮や資源の再利用について考えるきっかけにもなります。文章はリズミカルで読み聞かせにも適しており、親子で楽しめる一冊です。