3だいの機関車/ウィルバート・オードリー

『3だいの機関車』は、ウィルバート・オードリー作、レジナルド・ダルビー絵、桑原三郎・清水周裕訳による絵本で、原題は『The Three Railway Engines』です。1945年にイギリスで発行されました。日本語版は、桑原三郎と清水周裕の翻訳により、ポプラ社から2020年に新装出版されています。本書は、エドワード、ゴードン、ヘンリーという3台の機関車たちの活躍を描いた4つの短編で構成されており、彼らの性格や友情、成長の物語が描かれています。

略歴

ウィルバート・オードリー

ウィルバート・オードリー(Wilbert Vere Awdry, 1911年 – 1997年)は、イギリスの牧師であり、児童文学作家です。彼は特に『機関車トーマス(The Railway Series)』シリーズで知られており、この絵本シリーズが後に世界的に人気を博したテレビ番組『きかんしゃトーマス』の基礎となりました。
『機関車トーマス』が生まれたきっかけは、1942年、彼の息子であるクリストファーが病気になった際、彼を元気づけるために即興で語り始めた物語でした。この物語が家族に好評だったことから、彼はその後も話を続け、ついに1945年に『The Three Railway Engines』として最初の絵本が出版されました。シリーズはその後も続き、世界中で親しまれる作品となりました。彼の息子クリストファーも父の遺志を継ぎ、後に『The Railway Series』の新作を手がけています。オードリー牧師が残した物語とキャラクターたちは、現在も多くの子どもたちに愛され続けています。

レジナルド・ダルビー(絵)

レジナルド・ダルビー(Reginald Dalby,1904年 – 1983年)は、イギリスのイラストレーターで、ウィルバート・オードリーの『汽車のえほん』シリーズの挿絵を手掛けました。彼の描く色鮮やかで親しみやすい機関車たちの姿は、読者の想像力を刺激し、物語の世界観を豊かに表現しています。

おすすめ対象年齢

ウィルバート・オードリーの『機関車トーマス』シリーズの絵本は、3歳から6歳の未就学児や小学校低学年を対象としています。この年齢層に向けた物語は、短めの文章と明確なキャラクターの個性で構成されており、読み聞かせにも適しています。また、登場するキャラクターや冒険物語が、幼い読者の興味を引きつけやすく、特に乗り物や機関車に興味がある子どもたちにとっては魅力的な内容となっています。

レビュー

『3だいの機関車』は、エドワード、ゴードン、ヘンリーの個性豊かなキャラクターたちが織りなす物語が魅力的です。エドワードの優しさ、ゴードンの誇り高さ、ヘンリーの内気さなど、それぞれの性格が丁寧に描かれており、子供たちは彼らの冒険を通じて共感や学びを得ることができます。レジナルド・ダルビーの挿絵は鮮やかで、物語の世界観を豊かに表現しています。また、桑原三郎と清水周裕の翻訳は、原作の雰囲気を損なうことなく、日本の読者にも親しみやすい文章となっています。この絵本は、世代を超えて多くの人々に愛され続ける名作であり、親子での読み聞かせにも最適です。

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