エリック・カールの『できるかな?あたまからつまさきまで』は、動物たちの動きを真似しながら楽しく体を動かせる、子ども向けの参加型絵本です。各ページにはゾウ、ゴリラ、ペンギン、キリンなどの動物が登場し、それぞれが「できるかな?」と問いかけながら体の一部を使った動きを見せます。子どもたちは「できる!」と答えながら、頭を触ったり、腕を振ったり、足を動かしたりと、体全体を使って遊びながら読むことができる内容になっています。
カラフルで独特なエリック・カールのイラストが魅力的で、子どもたちが自分の体を意識しながら動きを楽しむことができるため、身体感覚や運動能力を育む手助けにもなります。小さな子どもたちにおすすめで、親子で一緒に体を動かしながら読み聞かせを楽しむことができる素晴らしい絵本です。
エリック・カールの略歴
エリック・カール(Eric Carle、1929 – 2021年)は、アメリカを代表する絵本作家・イラストレーターです。彼はドイツで育ち、14歳の時にアメリカから家族とともに移住しました。戦時下の厳しい生活の中、彼の芸術の才能は養われ、デザインやアートへの興味が深まっていきました。その後、アメリカへ戻り、ニューヨークで学び、卒業後は広告業界でグラフィックデザイナーとしてキャリアをスタートしました。そんな中、彼のイラストを見たビル・マーチンの依頼で『くまさんくまさんなにみてるの?』の挿絵を手がけたことがきっかけで、絵本作家としての道が開けます。
1969年には、代表作となる『はらぺこあおむし』を出版。この作品は世界中で翻訳され、子どもたちに親しまれる名作となりました。カラフルでコラージュ技法を用いた独特な作風が特徴で、作品には自然や成長をテーマにしたものが多く、子どもたちの好奇心や想像力を刺激するものが多いです。
その後も多くの絵本を手がけ、教育的で遊び心のある作品を発表し続けました。彼の作品は、視覚的な美しさだけでなく、インタラクティブな要素を取り入れ、子どもたちが実際に体験しながら学べる構成が多いことでも知られています。
おすすめ対象年齢
おすすめ対象年齢は、主に1歳から3歳頃の幼児を対象としています。この絵本は、子どもたちが自分の体を意識しながら動く楽しさを体験できるように設計されており、親子での読み聞かせや一緒に体を動かすアクティビティを通じて、親子のコミュニケーションを深めることができます。
レビュー
『できるかな?あたまからつまさきまで』は、非常に魅力的で楽しい絵本だと思います。カラフルで独特なイラストが子どもたちの興味を引き、動物たちと一緒に体を動かす体験を通じて、楽しみながら学ぶことができます。
この絵本は、幼児の発達段階にぴったり合った内容で、身体感覚や運動能力を育むのに役立ちます。また、「できるかな?」という問いかけが子どもたちに自信を与え、参加する意欲を引き出すのが素晴らしいです。親子で一緒に楽しむことができ、コミュニケーションを深める素晴らしい機会にもなります。
全体的に、シンプルながらも魅力的なストーリーとデザインが見事に組み合わさっていて、エリック・カールの作品の中でも特に子どもたちに愛される絵本だと感じます。