まんげつのよるまでまちなさい/マーガレット・ワイズ・ブラウン

『まんげつのよるまでまちなさい』は、マーガレット・ワイズ・ブラウンが作、ガース・ウィリアムズが絵を担当し、松岡享子さんが翻訳した絵本です。原作名は『Wait Till the Moon Is Full』で、1948年にアメリカで発行、日本語版は1978年にペンギン社から出版されています。物語は、夜を見たことがないあらいぐまのぼうやが、夜について母親に尋ねると、母親は「まん月の夜まで待ちなさい」と答えます。待つ間にぼうやは成長し、ついに満月の夜を迎えるという内容です。繊細な鉛筆画が動物たちの表情や毛並みを豊かに描写し、待つことの大切さや親子の愛情を感じさせる作品となっています。

略歴

マーガレット・ワイズ・ブラウン

マーガレット・ワイズ・ブラウン(Margaret Wise Brown, 1910-1952)は、アメリカを代表する児童文学作家で、多くの子どもたちに愛される絵本を生み出しました。特に『おやすみなさい おつきさま』(Goodnight Moon)は、彼女の代表作として知られています。ニューヨーク生まれのブラウンは、幼少期から動物や自然への関心を持ち、のちにホリンズ大学で教育を学びました。後、教師として働きながら執筆活動を開始。彼女の作品は、シンプルでリズミカルな言葉遣いと、子どもの感性を捉えた内容が特徴です。若くして急逝しましたが、その作品は今もなお、多くの読者に親しまれています。

ガース・ウィリアムズ(絵)

ガース・モンゴメリー・ウィリアムズ(Garth Montgomery Williams、1912年生まれ)は、アメリカ合衆国の著名なイラストレーターで、児童書や絵本の挿絵で広く知られています。彼はニュージャージー州とカナダの農場で幼少期を過ごし、10歳のときに家族とともにイギリスへ移住しました。ロンドンのウェストミンスター美術学校で建築を学んだ後、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで奨学金を得て美術を専攻しました。第二次世界大戦中は英国赤十字社で活動し、戦後はアメリカに戻り、『ザ・ニューヨーカー』誌でイラストレーターとして活躍しました。E・B・ホワイトの『スチュアートの大ぼうけん』(1945年)や『シャーロットのおくりもの』(1952年)の挿絵を手がけたことで一躍有名になり、ローラ・インガルス・ワイルダーの『大草原の小さな家』シリーズの新版(1953年)でも挿絵を担当しました。晩年はメキシコのグアナフアト州で過ごし、1996年に84歳で逝去しました。

まつおかきょうこ(訳)

松岡享子(まつおかきょうこ,1935-2022)さんは、日本の児童文学研究者、翻訳家、図書館司書です。神戸女学院大学を卒業後、ウェスタン・ミシガン大学で修士号を取得されました。帰国後は、福音館書店に勤務し、東京都立日比谷図書館で児童サービスにも携わられました。1974年には「東京子ども図書館」を設立し、児童書の普及に尽力されました。代表作に『とこちゃんはどこ』『おふろだいすき』、また、『しろいうさぎとくろいうさぎ』や「くまのパディントン」などの翻訳も手掛けられました。著作・翻訳は200冊以上にのぼり、文化功労者としても顕彰され、児童文学の発展に大きく貢献されました。

おすすめ対象年齢

この絵本の対象年齢は3歳から6歳以上とされています。物語のテーマや表現が幼児にも理解しやすく、親子での読み聞かせにも適しています。また、繊細なイラストレーションは子どもの想像力を豊かにし、感受性を育む助けとなるでしょう。

レビュー

本作は、子どもの好奇心と成長、そして親の深い愛情が美しく描かれています。待つことの大切さや、親子の絆を再認識させてくれる物語です。ガース・ウィリアムズの繊細なイラストは、物語の雰囲気をより一層引き立て、読者を温かい気持ちにさせてくれます。親子で一緒に読むことで、互いの関係を深めるきっかけとなるでしょう。