
『ぼくのせかいをひとまわり』は、マーガレット・ワイズ・ブラウンが文を、クレメント・ハードが絵を手掛けた絵本で、原作名は『My World』です。本作は、1949年にアメリカで発行されました。日本語版は、おがわひとみの訳により、2001年に評論社から出版されています。この作品は、名作『おやすみなさいおつきさま』の姉妹編とされ、あのうさぎくんの身近な世界が描かれています。「おおきなみどりのへや」の外、小さなうさぎくんの世界を楽しむことができます。
略歴
マーガレット・ワイズ・ブラウン
マーガレット・ワイズ・ブラウン(Margaret Wise Brown, 1910-1952)は、アメリカを代表する児童文学作家で、多くの子どもたちに愛される絵本を生み出しました。特に『おやすみなさい おつきさま』(Goodnight Moon)は、彼女の代表作として知られています。ニューヨーク生まれのブラウンは、幼少期から動物や自然への関心を持ち、のちにホリンズ大学で教育を学びました。後、教師として働きながら執筆活動を開始。彼女の作品は、シンプルでリズミカルな言葉遣いと、子どもの感性を捉えた内容が特徴です。若くして急逝しましたが、その作品は今もなお、多くの読者に親しまれています。
クレメント・ハード(絵)
クレメント・ハード(Clement G. Hurd、1908年 – 1988年)は、アメリカの絵本作家・イラストレーターです。イェール大学で美術を学んだ後、パリで絵画を修めました。帰国後、作家マーガレット・ワイズ・ブラウンと出会い、『ぼくにげちゃうよ』(1942年)や『おやすみなさい おつきさま』(1947年)など、多くの絵本で共作しました。彼のシンプルで温かみのあるイラストは、物語の雰囲気を引き立て、多くの読者に親しまれています。
小川仁央(訳)
小川 仁央(おがわひとみ)さんは、英米の絵本や物語を中心に活躍する翻訳家です。具体的な生年月日や出身地などの詳細な経歴は公開されていませんが、これまでに多くの絵本を日本語に翻訳し、読者に届けてきました。主な訳書には、スーザン・バーレイ作『わすれられないおくりもの』、サム・マクブラットニィ作『どんなにきみがすきだかあててごらん』、デイビッド・シャノン作『だめよ、デイビッド!』、ベンジー・デイヴィス作『おじいちゃんのゆめのしま』などがあります。これらの作品を通じて、子どもたちや大人に感動や喜びを提供し、絵本の魅力を広める役割を果たしています。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、2歳から5歳頃の幼児から小学校低学年までとされています。シンプルな文章と親しみやすいイラストが特徴で、小さな子どもたちが楽しめる内容となっています。
レビュー
『ぼくのせかいをひとまわり』は、子どもの視点から見た身近な世界を温かく描いており、読者に安心感を与えます。クレメント・ハードの柔らかなイラストレーションは、物語の雰囲気を引き立て、子どもたちの想像力を刺激します。また、マーガレット・ワイズ・ブラウンのリズミカルな文章は、読み聞かせにも最適で、親子での楽しいひとときを提供してくれるでしょう。