ききゅうにのったこねこ/マーガレット・ワイズ・ブラウン

『ききゅうにのったこねこ』は、マーガレット・ワイズ・ブラウンが文を、レナード・ワイズガードが絵を手がけた絵本です。日本語版は、こみやゆうの訳により2011年に長崎出版から刊行されています。この絵本は、気球に乗った子猫が新たな世界を探し求めて旅に出る物語で、様々な風景や出来事に出会いながら成長していく姿が描かれています。子どもたちに自然への興味や感受性を育む作品として評価されています。

略歴

マーガレット・ワイズ・ブラウン

マーガレット・ワイズ・ブラウン(Margaret Wise Brown, 1910-1952)は、アメリカを代表する児童文学作家で、多くの子どもたちに愛される絵本を生み出しました。特に『おやすみなさい おつきさま』(Goodnight Moon)は、彼女の代表作として知られています。ニューヨーク生まれのブラウンは、幼少期から動物や自然への関心を持ち、のちにホリンズ大学で教育を学びました。後、教師として働きながら執筆活動を開始。彼女の作品は、シンプルでリズミカルな言葉遣いと、子どもの感性を捉えた内容が特徴です。若くして急逝しましたが、その作品は今もなお、多くの読者に親しまれています。

レナード・ワイスガード(絵)

レナード・ワイスガード(Leonard Weisgard、1916年 – 2000年)は、アメリカの絵本作家・イラストレーターです。1947年に『The Little Island』でコールデコット賞を受賞し、その後も多くの作品で高い評価を得ました。彼のイラストは、独特の色彩感覚とデザイン性が特徴で、絵本の世界に新しい風を吹き込みました。マーガレット・ワイズ・ブラウンとのコンビで多くの作品を手がけ、その中でも『たいせつなこと』は代表作の一つとされています。

小宮 由(訳)

小宮由(こみやゆう,1974年生まれ)さんは東京都出身の翻訳家。学生時代を熊本で過ごし、大学卒業後、児童書出版社に入社。2001年に留学し、帰国後はいくつかの出版社勤務を経て、翻訳家として活動を開始しました。2004年から東京・阿佐ヶ谷で家庭文庫「このあの文庫」を主宰しています。家族も児童書に関わる仕事をしており、祖父はトルストイ文学の翻訳家・北御門二郎です。

おすすめ対象年齢

対象年齢は3歳から5歳のお子様におすすめです。シンプルでリズミカルな文章と鮮やかなイラストが、小さなお子様の興味を引きつけ、読み聞かせにも最適です。

レビュー

この絵本は、子猫の冒険を通じて未知の世界への好奇心や勇気を育む内容となっています。レナード・ワイスガードのイラストは、色彩豊かで細部まで丁寧に描かれており、物語の世界観を深めています。親子で一緒に読むことで、冒険の楽しさや新しい経験への期待感を共有できるでしょう。また、子猫が旅の中で感じる不安や喜びを共感しながら読むことで、お子様の情緒的な成長にもつながると感じました。