おんなじ、おんなじ!でも、ちょっとちがう!/ジェニー・スー・コステキ=ショー

『おんなじ、おんなじ!でも、ちょっとちがう!』は、ジェニー・スー・コステキ=ショー作、宮坂宏美さん訳の絵本です。​原作の英語タイトルは『Same, Same but Different』で、2011年にアメリカで出版されました。​日本語版は同年に光村教育図書から刊行されています。 ​物語は、アメリカの少年エリオットとインドの少年カイラシュが手紙を通じてお互いの生活を紹介し合う中で、共通点と相違点を発見していく内容です。​二人とも木登りが好きで、家族と暮らし、バスで学校へ通うなど、共通する点が多い一方、文化や生活環境の違いも描かれています。

略歴

ジェニー・スー・コステキ=ショー

​ジェニー・スー・コステキ=ショーは、アメリカの絵本作家およびイラストレーターです。​カンザスシティ美術大学とイラストレーションアカデミーで学び、卒業後はグリーティングカード会社に勤務しました。​その後、フリーランスのイラストレーターとして独立し、絵本制作に取り組んでいます。 ​彼女の代表作には、『おんなじ、おんなじ!でも、ちょっとちがう!』(原題:Same, Same but Different)や『わたしのすてきなたびする目』などがあります。​これらの作品は、異文化理解や多様性の尊重をテーマに描かれており、子どもたちに広く親しまれています。 ​また、彼女自身の幼少期の経験が作品に影響を与えており、7歳の頃の自らの体験をもとにした作品も存在します。 ​ジェニー・スー・コステキ=ショーの作品は、鮮やかな色彩と独特のタッチで描かれたイラストが特徴で、読者に視覚的な楽しさを提供しています。​彼女の作品は、世界中の子どもたちに異文化理解や共感の大切さを伝える役割を果たしています。

宮坂 宏美(訳)

宮坂宏美(みやさか ひろみ)さんは、日本の翻訳家で、主に児童文学の翻訳を手掛けています。​宮城県出身で、弘前大学人文学部を卒業後、電気通信会社や旅行会社に勤務し、その後フリーランスの翻訳者およびライターとして独立しました。翻訳者としてのキャリアを築く中で、熊谷鉱司、亀井よし子、金原瑞人の各氏に師事し、翻訳技術を磨きました。 ​これまでに手掛けた訳書には、メーガン・マクドナルドの「ジュディ・モードとなかまたち」シリーズや、ミランダ・ジョーンズの「ランプの精 リトル・ジーニー」シリーズ、シアン・グリフィスの「科学のなぞときマジカル・メイズ」シリーズなど、多くの児童書があります。 ​これらの作品を通じて、子どもたちに読書の楽しさや学びを提供しています。​また、シヴォーン・ダウドの『すばやい澄んだ叫び』など、海外の著名な作品の翻訳も手掛けており、幅広いジャンルで活躍しています。 ​宮坂さんの翻訳は、原作の魅力を日本の読者に伝えるだけでなく、作品の持つ深いテーマやメッセージを丁寧に伝えることで高く評価されています。

おすすめ対象年齢

この絵本の対象年齢は、幼児から小学校低学年までとされています。 ​物語の内容や表現がこの年齢層に適しており、異文化理解や友達の大切さを学ぶのに役立ちます。

レビュー

『おんなじ、おんなじ!でも、ちょっとちがう!』は、異文化理解を楽しく学べる素晴らしい絵本だと感じました。アメリカのエリオットとインドのカイラシュが手紙を通じて交流する中で、「おんなじ」だけど「ちょっとちがう」ことに気づいていく過程が、子どもにも分かりやすく描かれています。絵の色彩が豊かで、異文化の魅力を直感的に伝えているのも魅力的です。特に、異なる国でも「家族を大切にする」「遊ぶことが好き」などの共通点があると知ることで、子どもたちは世界の広がりを感じつつも、他者への共感を深められると思います。異文化を学ぶ入り口として、小さな子どもにもぜひ読んでほしい一冊です。

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