
『いちばんつよいのはオレだ』は、フランスの作家マリオ・ラモによる絵本で、原題は『C’est moi le plus fort』です。 本作は、2003年に平凡社より日本語版が出版され、翻訳は原光枝さんが担当しました。 物語は、満腹のオオカミが森の動物たちに「この世で一番強いのは誰だ?」と問いかけ、自分の強さを確認しようとするユーモラスな展開が特徴です。 しかし、最後に予想外の結末が待ち受けており、読者に驚きと笑いを提供します。
略歴
マリオ・ラモ
マリオ・ラモ(Mario Ramos)は、1958年にベルギーのブリュッセルで生まれた絵本作家です。彼はグラフィックデザインを学び、その後、絵本の創作に取り組み始めました。彼の作品は、シンプルでありながら表情豊かなイラストと、ユーモラスで洞察力に富んだストーリーが特徴です。代表作には『いちばんつよいのはオレだ』や『Le plus malin』などがあり、これらの作品は多くの言語に翻訳され、世界中の子どもたちに親しまれています。ラモの作品は、子どもたちに楽しさを提供するだけでなく、自己肯定感や他者との関わり方など、重要なテーマを優しく伝えるものが多いです。彼は2012年に亡くなりましたが、その作品は今もなお多くの人々に愛されています。
原 光枝(訳)
原光枝(はら みつえ)氏は、日本の翻訳家で、主にフランス語の絵本や児童文学の翻訳を手掛けています。彼女の翻訳は、原作の持つニュアンスやリズムを日本語で巧みに再現し、多くの読者から高い評価を受けています。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、3歳から5歳の幼児期の子どもたちに適しています。物語のシンプルさと繰り返しのリズム、そしてユーモラスな展開が、この年齢層の子どもたちの興味を引きつけ、楽しませる要素となっています。
レビュー
『いちばんつよいのはオレだ』は、シンプルながらもユーモアにあふれた絵本で、大人も子どもも楽しめる作品です。主人公のオオカミは自分の強さを確かめるために森の動物たちに質問して回りますが、その結末は予想外。繰り返しの構成が子どもにとって分かりやすく、安心感を与えつつ、最後に驚きの展開が待っているため、読むたびに楽しめます。また、マリオ・ラモのシンプルながら表情豊かなイラストが、キャラクターの個性を際立たせています。強さとは何か、本当に大事なことは何かをユーモラスに問いかけるこの物語は、自己中心的な態度への風刺としても秀逸です。読み終えた後にクスッと笑える、魅力的な一冊です。