
『ふとっちょねこ』は、ジャック・ケントがデンマークの民話を基に作・絵を手掛け、まえざわあきえさんが翻訳した絵本です。原作の英語版『The Fat Cat: A Danish Folktale』は1971年にアメリカで出版され、日本語版は2001年6月に朔北社から刊行されました。物語は、食いしん坊の猫が次々と物や人を飲み込んでいくユーモラスな展開が特徴で、繰り返しの表現が子どもたちに親しみやすい作品となっています。
略歴
ジャック・ケント
ジャック・ケント(Jack Kent)は、1920年にアメリカ・アイオワ州で生まれました。フリーランスの商業アーティストとしてのキャリアを開始。第二次世界大戦中はアメリカ陸軍に従軍し、戦後は印刷工場で働きながら独立したイラストレーターとして活動しました。1950年にコミック・ストリップ『King Aroo』を創作し、1965年まで連載。1968年からは児童書の執筆とイラスト制作に注力し、1985年に亡くなるまでに40冊以上の児童書を手掛けました。
まえざわ あきえ(訳)
前沢明枝(まえざわ あきえ)さんは、日本の児童文学翻訳家、言語学者です。東京生まれで、アメリカのウェスタンミシガン大学で英米児童文学の学士号を取得し、ミシガン大学大学院で言語学の修士号を取得しました。 帰国後、英語圏の絵本や児童文学の翻訳を手掛けるとともに、大学で英語、翻訳、異文化コミュニケーションなどを教えています。 絵本の翻訳作に『ふとっちょねこ』や『ぼくだってとべるんだ』などがあります。 また、第4回外国絵本翻訳コンクール優秀賞を受賞するなど、その功績が評価されています。 さらに、産経児童出版文化賞入賞や、社会保障審議会児童福祉文化財の推薦図書に選ばれるなど、多くの受賞歴があります。
おすすめ対象年齢
『ふとっちょねこ』は、3歳から6歳の子どもを対象としています。繰り返しの多い文章とユーモラスな展開が、幼児の興味を引きやすく、読み聞かせにも最適な作品です。
レビュー
この絵本は、食いしん坊の猫が次々と物や人を飲み込んでいくという奇想天外な物語が展開されます。繰り返しの表現やリズミカルな文章が子どもたちの興味を引き、読み聞かせにも適しています。また、民話特有の教訓やユーモアが込められており、大人も楽しめる内容となっています。絵本全体を通じて、想像力を刺激し、物語の世界に引き込まれる魅力があります。