ホーホーはらへりフクロウさまだ!/ショーン・テイラー

​『ホーホーはらへりフクロウさまだ!』は、ショーン・テイラーが文を、ジャン・ジュリアンが絵を手掛け、木坂涼が翻訳した絵本です。​原作の英語タイトルは『Hoot Owl, Master of Disguise』で、2015年にイギリスで発行されました。​日本語版は2016年に刊行されています。​この作品は、夜行性のフクロウが獲物を捕まえるためにさまざまな変装を試みるユーモラスなストーリーで、子どもたちに笑いと驚きを提供します。

略歴

ショーン・テイラー

ショーン・テイラー(Sean Taylor)は、60冊以上の児童書を執筆した受賞歴のある作家です。代表作にジャン・ジュリアンが絵を手がけた『ホーホーはらへりフクロウさまだ!』があります。『MONSTER! HUNGRY! PHONE!』シリーズなど、多くの人気作を発表。自然に関する本やイスラムの民話集も手がけ、ティーン向け小説『A WASTE OF GOOD PAPER』はカーネギー賞最終候補になりました。イギリスとブラジルに暮らした経験があり、執筆時は音楽を聴き、ポルトガル語で考えることも。ブラジルのカーニバルではロビン・フッドの仮装をし、詩を書いた矢を放ったこともあるそうです。

ジャン・ジュリアン

ジャン・ジュリアン(Jean Jullien)は、1983年フランスのショレ生まれのグラフィックデザイナー兼イラストレーターです。​ナントで育ち、ロンドンのセントラル・セント・マーチンズとロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学びました。​彼の作品は、ニューヨーク・タイムズやガーディアンなどの出版物に掲載され、ポンピドゥー・センターやナイキなどのクライアントとも協力しています。​特に、2015年のパリ同時多発テロ事件の際に、エッフェル塔を組み込んだ平和のシンボル「Peace for Paris」を制作し、世界的に注目を集めました。

木坂 涼(訳)

木坂涼(きさか りょう)さんは、1958年、埼玉県生まれ。和光大学人文学部芸術学科を卒業後、博報堂に勤務されました。1981年、自費出版の詩集『じかんはじぶんを』で詩人としてデビューし、その独特な作風が注目を集めました。1987年には詩集『ツッツッと』で第5回現代詩花椿賞を受賞し、1997年には『金色の網』で芸術選奨文部大臣新人賞を受賞されています。詩人としての活動に加え、エッセイスト、絵本作家、翻訳家としても幅広く活躍されています。特に、創作絵本や海外の児童文学の翻訳に力を入れており、代表作には『みんなおっぱいのんでたよ』(福音館書店)や『あいうえたいそう』(偕成社)などがあります。また、翻訳作品としては『ねずみの歯いしゃさんアフリカへいく』や『ヨセフのだいじなコート』など、多数の絵本を手掛けています。現在も、詩や絵本の創作、翻訳を通じて、子どもから大人まで幅広い読者に親しまれる作品を提供し続けています。

おすすめ対象年齢

この絵本の対象年齢は、3歳から7歳の子どもたちに適しています。​シンプルながらも魅力的なストーリーと鮮やかなイラストレーションが、小さな子どもたちの興味を引きつけます。

レビュー

『ホーホーはらへりフクロウさまだ!』は、ユーモラスでテンポの良いストーリーと、シンプルながらインパクトのあるイラストが魅力的な絵本です。フクロウが「変装の達人」としてさまざまな工夫を凝らして獲物を狙うものの、なかなかうまくいかない展開が面白く、子どもたちの笑いを誘います。ショーン・テイラーの繰り返しのリズムと独特の語り口は、読み聞かせにぴったりで、子どもたちも次に何が起こるのかワクワクしながら楽しめるでしょう。イラストも、シンプルながらキャラクターの表情が豊かで、場面ごとのユーモアが際立っています。全体的に楽しく、何度でも読み返したくなる作品だと感じました。

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