
長 新太さん作の絵本『ぼくのくれよん』は、1993年に講談社から発売されました。 この作品は、大きなくれよんを持つぞうが、青や赤、黄色のくれよんで自由に絵を描き、その絵に動物たちが反応するユーモラスな物語です。青いくれよんで描いた池にカエルが飛び込んだり、赤いくれよんで描いた絵を火事と勘違いした動物たちが逃げ出したりと、想像力豊かな展開が魅力です。さらに、黄色のくれよんで描いたバナナにライオンが怒る場面もあり、子どもたちの笑いを誘います。この絵本は、子どもたちに自由な発想と創造力の大切さを伝える作品です。
略歴
長 新太
長 新太(ちょう しんた,1927年 – 2005年)さんは、日本の漫画家・絵本作家・エッセイスト。東京都大田区出身。戦後、映画館の看板屋を経て、1948年に東京日日新聞の漫画コンクールで入選し、漫画家としてデビュー。その後、絵本作家としても活動を広げ、『ごろごろにゃーん』、『ぼくのくれよん』、『タコのバス』などユーモアあふれる作品を発表し、子どもから大人まで広く愛されました。1959年に文藝春秋漫画賞を受賞し、1994年には紫綬褒章を受章。2005年には『ないた』で日本絵本賞大賞を受賞。享年77歳。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、2歳から4歳程度とされています。 鮮やかな色使いとシンプルなストーリー展開、そして繰り返しのリズムが、小さな子どもたちにも理解しやすく、楽しめる内容となっています。また、擬音語が多く使われており、読み聞かせにも最適です。
レビュー
『ぼくのくれよん』は、子どもの視点で描かれた自由で大胆な創作の楽しさを伝える作品です。ぞうが巨大なくれよんで描く絵は、子どもたちの想像力を刺激し、自分も絵を描きたくなる衝動に駆られることでしょう。また、動物たちのユーモラスな反応や、ぞうの無邪気な行動は、読者に笑いと共感を与えます。長 新太さんの独特なナンセンスの世界観が存分に発揮されたこの絵本は、子どもだけでなく大人も楽しめる作品です。読み終えた後、親子で一緒にお絵描きを楽しむきっかけにもなるでしょう。