おいていかないで/筒井 頼子

​『おいていかないで』は、作:筒井頼子さん、絵:林明子さんによる絵本で、1988年に福音館書店から初版が発行されました。物語は、妹のあやこが兄と一緒に遊びたがる様子を描いています。​お兄ちゃんは一人で出かけようとしますが、あやこは「おいていかないで」と懇願します。​兄妹の微笑ましいやり取りが描かれた作品です。​

略歴

筒井頼子

筒井頼子(つついよりこ)さんは1945年東京都板橋区生まれの絵本作家です。秋田県での幼少期や埼玉県での学生生活を経て、コピーライターとして働いた後、専業主婦となり子育てをしながら執筆を開始しました。1976年に福音館書店「こどものとも」で発表した『はじめてのおつかい』は、林明子さんが絵を担当し、子どもの成長を描く作品として長く愛されています。その後も『あさえとちいさいいもうと』『いもうとのにゅういん』などで成功を収め、特に『いもうとのにゅういん』の英語版がエズラ・ジャック・キーツ賞を受賞しました。日常を温かく描く作風で、国内外で多くの読者に親しまれています。

林 明子(絵)

林明子(はやし あきこ)さんは、日本の絵本作家・イラストレーターとして多くの人々に親しまれています。1945年、東京都に生まれ、大学でグラフィックデザインを学びました。卒業後はデザイン事務所で働き、そこでの経験を生かしつつ、1970年代から絵本のイラストを手がけるようになります。林さんの作品は、子どもたちの日常の生活や心の成長を細やかに描写することに定評があり、特に「こんとあき」「おつきさまこんばんは」「クリスマスの三つのおくりものセット」などは、親子で楽しめる定番の作品として愛されています。また、彼女の絵本は、物語の温かさと優しい色合いのイラストが調和しており、読む人に安心感と親しみを与える魅力があります。そのキャリアを通じて、林さんは数多くの賞を受賞し、日本の絵本界で非常に重要な存在となっています。彼女の作品は国内外で高く評価され、翻訳もされているため、世界中の子どもたちにも親しまれています。

おすすめ対象年齢

対象年齢は、おおよそ2歳から5歳の未就学児向けとされています。物語は短く、日常的なやり取りが描かれているため、小さな子どもでも理解しやすい内容です。また、林明子さんの温かみのある絵が、子どもたちの共感を引き出しやすくしています。特に、兄弟姉妹のいる子どもや、これから弟妹が生まれる幼児にはぴったりの一冊です。読み聞かせに適しており、親子で楽しみながら会話が広がる絵本です。

レビュー

この絵本は、兄妹の関係や子どもの純粋な気持ちを温かく描いており、読者の心を和ませます。​林明子さんの繊細で優しいイラストが物語を引き立て、子どもたちが共感しやすい作品となっています。​兄弟姉妹のいる家庭や、これから弟妹が生まれる子どもたちに特におすすめしたい一冊です。​

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