ねこのピート だいすきなよっつのボタン/エリック・リトウィン

『ねこのピート だいすきなよっつのボタン』(原題:Pete the Cat and His Four Groovy Buttons)は、エリック・リトウィン作、ジェームス・ディーン絵によるアメリカ発の人気絵本です。原作は2012年にアメリカで出版され、日本語版は2014年にひさかたチャイルドから発行されました。主人公のピートはお気に入りのシャツのボタンが次々に取れても「大丈夫!」と前向きな姿勢を失いません。歌とリズムが楽しく、失ってもくじけない心を子どもたちに優しく伝えてくれます。

略歴

エリック・リトウィン

エリック・リトウィン(Eric Litwin)は、アメリカ・ニューヨーク生まれの児童作家、語り手、音楽家です。教育者としての経験を活かし、物語と音楽を融合させた作品を数多く手がけています。代表作「ねこのピート」シリーズは、彼の独自のリズム感と前向きなメッセージで世界的に人気を博しました。特に歌うように語るストーリーテリングが特徴で、読み聞かせや音楽活動にも積極的に取り組んでいます。現在はアメリカ各地でワークショップやパフォーマンスを行い、子どもたちと創造的な時間を共有しています。

ジェームス・ディーン(絵)

同姓同名の1950年代に活躍した俳優とは別人です。この絵本のイラストを手がけたジェームス・ディーン(James Dean)は、アメリカの現代アーティストであり、特に「ねこのピート」シリーズで知られています。​彼はもともとエンジニアとして働いていましたが、芸術への情熱から画家に転身し、青い猫のキャラクター「ピート」を創作しました。​このキャラクターが後にエリック・リトウィンとの共作で絵本シリーズとなり、世界的な人気を博しています。​現在も子ども向けの書籍のイラストや執筆活動を続けています。

おおとも たけし(訳)

大友剛(おおとも たけし)さんは、日本の翻訳家、ミュージシャン、マジシャンです。マジックや音楽、絵本の楽しさとメッセージを全国の子どもたちに届ける活動を行っています。また、保育者や図書館司書、教育者向けの公演やセミナーも精力的に開催し、国内外で幅広く活躍しています。翻訳作品には『えがないえほん』(早川書房)、『ねこのピート だいすきなしろいくつ』(ひさかたチャイルド)、『カラーモンスター きもちは なにいろ?』(永岡書店)など多数があります。彼の活動は、子どもたちの創造力や表現力を育むことに寄与しています。

長谷川 義史(文字画)

長谷川義史(はせがわよしふみ)さんは、1961年大阪府藤井寺市生まれ。 ​グラフィックデザイナーからイラストレーターを経て、2000年に『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』で絵本作家としてデビューしました。 ​2003年には『おたまさんのおかいさん』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。​また、2008年には『ぼくがラーメンたべてるとき』で日本絵本賞と小学館児童出版文化賞を受賞するなど、多くの作品で高い評価を得ています。

おすすめ対象年齢

この絵本は、3歳から6歳くらいの未就学児を中心に、小学校低学年まで幅広く楽しめます。リズムのある繰り返し表現と、数字のカウントダウンが出てくるため、読み聞かせにもぴったり。音楽や数字に興味を持ち始める時期の子どもたちにおすすめです。

レビュー

ピートの「大丈夫!」という前向きな言葉に、読むたび元気をもらえる絵本です。ボタンが取れても怒らず、落ち込まず、「ものはいつかなくなる」と自然に受け入れる姿勢に感動しました。子どもたちが失敗や喪失を恐れずにいられるようなヒントが詰まっています。明るい色づかいとユーモラスなイラストも魅力的で、歌いながら読むと親子の時間がさらに楽しくなります。ポジティブ思考を自然に身につけられる、素晴らしい一冊です。

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