おべんとうバス/真珠 まりこ

『おべんとうバス』は、真珠まりこさんが作・絵を手がけ、2006年にひさかたチャイルドから出版された絵本です。
この絵本では、真っ赤なバス「おべんとうバス」に、ハンバーグくん、えびフライちゃん、たまごやきさんなど、お弁当の定番おかずたちが次々と「はーい」と元気に返事をしながら乗り込んでいきます。
ビビッドな色彩とリズミカルな繰り返しの会話が特徴で、赤ちゃんから楽しめる内容となっています。 また、乗り物や食べ物が好きな子どもたちにぴったりの作品です。
さらに、2017年には『おべんとうバスのうた』が制作され、ケロポンズさんが歌唱を担当し、劇あそびブックとしても展開されています。
『おべんとうバス』は、親子での読み聞かせや、幼稚園・保育園での活動にも活用され、多くの子どもたちに愛されている絵本です。

真珠まりこの略歴

真珠まりこさんは、兵庫県神戸市出身の絵本作家です。 神戸女学院大学を卒業後、大阪総合デザイン専門学校で絵本制作を学び、さらにニューヨークのパーソンズ美術大学でも研鑽を積まれました。
1998年、アメリカで初の絵本『A Pumpkin Story』を出版し、絵本作家としてデビューされました。その後、2004年に発表された『もったいないばあさん』は、キャラクターの人気も相まって、毎日新聞や朝日小学生新聞など多くのメディアで連載され、シリーズ化されました。
2008年からは、「もったいないばあさんのワールドレポート展」を開催し、地球上で起きている問題と、それに巻き込まれる世界の子どもたちの現状を伝える活動を続けておられます。
主な作品には、『おべんとうバス』『おでんのゆ』『ぽんぽん』『おたからパン』などがあり、2024年には新刊『もったいないばあさんのおばあちゃん』と『キノコのしろちゃん』を発表されています。

おすすめ対象年齢

『おべんとうバス』は、主に0歳から3歳くらいの乳幼児を対象とした絵本です。この年齢の子どもたちが楽しめるよう、簡単な言葉とリズミカルなフレーズで構成されており、ページをめくるたびにキャラクターたちが登場し、元気よく返事をするシンプルな展開が特徴です。色彩も鮮やかで、視覚的な興味を引き、親子での読み聞かせの際にリズム感ややりとりが生まれるよう工夫されています。また、乗り物や食べ物が好きな子どもたちに特に人気があり、幼稚園や保育園の読み聞かせにも適しています。

レビュー

『おべんとうバス』は、シンプルでありながらとても魅力的な作品です。まず、登場するキャラクターが、ハンバーグくんやたまごやきさん、えびフライちゃんなど、子どもが大好きな「おかず」たちという設定がユニークで、親しみやすさが際立っています。キャラクターが「はーい」と元気に返事をしながらバスに乗り込んでいく姿が愛らしく、小さな子どもたちも自然と一緒に声を出して楽しむことができるでしょう。

また、絵本全体が鮮やかな色彩で彩られており、視覚的なインパクトも強いです。特に、赤色のバスが背景の中で目立ち、視覚的な注目を引くデザインが秀逸です。色彩の豊かさが、乳幼児の興味を引きやすく、ページをめくるたびに新たな発見があるような感覚を味わえます。ストーリー自体はシンプルで、会話の繰り返しが続くため、リズミカルで楽しいテンポが保たれ、親子での読み聞かせの時間を楽しくしてくれる工夫がなされています。

さらに、『おべんとうバス』は、食べ物や乗り物といった子どもが日常で親しみやすいテーマを取り上げている点も魅力的です。子どもが自身の好きなものに対して、絵本の中で「これ知ってる!」という共感が得られるのは、この年齢の子どもたちにとって大切な体験となります。この絵本は、視覚的な楽しさとシンプルな繰り返し構成が見事に合わさり、何度も読み返したくなる、まさに「何度でも楽しめる」作品だと言えるでしょう。

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