
『あそぼうよ』(原題:Let’s Play)は、レオ・レオニが1993年に発表したボードブック形式の絵本です。日本語版は谷川俊太郎さんの翻訳により、2010年に好学社から刊行されました。この作品では、2匹のねずみが「おはよう」から「おやすみなさい」までの一日を通じて、さまざまな遊びを楽しむ様子が描かれています。幼い子どもたちにとって、日常の楽しさや遊びの喜びを感じられる一冊となっています。
略歴
レオ・レオニ
レオ・レオニ(Leo Lionni, 1910-1999)は、オランダのアムステルダムで生まれた絵本作家であり、デザイナー、芸術家です。幼少期をオランダやイタリア、アメリカで過ごし、大学では経済学を学びましたが、後にアートの道へ進みました。アメリカに移住し、広告業界で成功を収める一方、モダンアートにも深い関心を寄せました。50歳を過ぎてから絵本作家としての道が開かれます。彼の作品は、美しいコラージュや温かいストーリーが特徴で、『スイミー』『フレデリック』『アレクサンダとぜんまいねずみ』などが代表作です。子どもたちに創造力や多様性の大切さを伝える名作を多く残しました。
谷川俊太郎(訳)
谷川俊太郎(たにかわ しゅんたろう, 1931年-2024年)さんは、東京生まれの詩人、翻訳家、絵本作家です。1952年に詩集『二十億光年の孤独』でデビューし、その独創的で感受性豊かな詩風が注目を集めました。以来、詩だけでなく、絵本や脚本、翻訳など多岐にわたる分野で多才な才能と日本文学への多大な貢献を物語っています。
絵本分野では、レオ・レオニの『スイミー』や『フレデリック』の翻訳で知られ、その簡潔で美しい日本語訳が作品に新たな命を吹き込みました。また、絵本『もこ もこもこ』や詩画集『ことばあそびうた』など、自身のオリジナル作品でも多くの読者に親しまれています。
受賞歴も多く、読売文学賞(1983年)、野間児童文芸賞(1988年)、朝日賞(1996年)など、国内外で高く評価されました。晩年には国際的な詩の賞も受賞し、日本文学の世界的な地位向上にも寄与しました。詩を通じて日常の深さを表現し続け、2024年に永眠しました。その作品と影響は、今も多くの人々に愛されています。
おすすめ対象年齢
『あそぼうよ』は、0歳から3歳程度の乳幼児を対象とした絵本です。ボードブック形式で丈夫な作りとなっており、小さな手でも扱いやすいサイズです。簡潔な文章と親しみやすいイラストが、言葉の発達や感性の育成に役立ちます。親子での読み聞かせに最適な内容です。
レビュー
『あそぼうよ』は、レオ・レオニの作品の中でも特に幼い子ども向けに作られた絵本で、シンプルながらも温かみのある内容が印象的です。2匹のねずみが一日を通じてさまざまな遊びを楽しむ様子は、子どもたちの日常と重なり、共感を呼びます。レオニのコラージュ技法によるイラストは、色彩豊かで視覚的にも楽しめます。谷川俊太郎さんの翻訳もリズミカルで、読み聞かせにぴったりです。親子のコミュニケーションを深める一冊としておすすめします。