ねこホテル/ふくべ あきひろ

『ねこホテル』は、ふくべあきひろさんが文を手がけ、かわしまななえさんが絵を描いた、2024年刊行のユーモアたっぷりな創作絵本です。舞台は、ある日、学校帰りの女の子がふと見つけた「ねこホテル」。そこは猫好きのための、夢のような宿泊施設。肉球レストランにへそ天の間、アンモニャイトの部屋など、猫のしぐさや習性を取り入れた不思議な部屋がずらりと並びます。物語のなかで女の子は、猫と一緒に時間を過ごし、優しさと癒やしに包まれる体験をします。読み進めるたびに新たな発見がある、猫好き必見の一冊です。

略歴

ふくべ あきひろ

ふくべ あきひろ(福部 明浩)さんは、1976年兵庫県生まれのコピーライター・絵本作家です。​京都大学工学部を卒業後、1998年に博報堂に入社し、コピーライターとして数々の広告賞を受賞しました。​2013年に独立し、クリエイティブオフィス「catch」を設立。​2009年に絵本『いちにちおもちゃ』で作家デビューし、以降「いちにち」シリーズを中心に、子どもたちの想像力を刺激するユーモアあふれる作品を多数手がけています。​彼の作品は、日常の中にあるユニークな視点や発想を通じて、読者に新たな気づきや楽しさを提供しています。

かわしま ななえ(絵)

かわしまななえ(川嶋ななえ)さんは、1983年東京都生まれの絵本作家・アートディレクターです。​東京造形大学を卒業後、多摩美術大学大学院を修了し、2008年に広告会社・博報堂に入社。​アートディレクターとして活動する傍ら、2009年にふくべあきひろさんとの共作『いちにちおもちゃ』で絵本作家としてデビューしました。​以降、「いちにち」シリーズ全作品のイラストを担当し、独特のユーモアと温かみのある作風で多くの読者を魅了しています。​歌舞伎をこよなく愛し、キジトラ猫の松と梅を飼うなど、日常の中の豊かな感性が作品に反映されています。

おすすめ対象年齢

本書の対象年齢は4・5歳からとされており、幼児から小学校低学年までの子どもたちが楽しめる内容です 。

レビュー

『ねこホテル』は、猫の魅力をユーモラスかつ愛情たっぷりに描いた、まさに猫好きにはたまらない一冊です。ふくべあきひろさんのテンポよく展開するお話と、かわしまななえさんのやわらかく温かみのあるイラストが絶妙にマッチしており、ページをめくるたびに「次はどんな部屋?」とワクワクさせてくれます。猫の“へそ天”や“アンモニャイト”といったしぐさを部屋のテーマにしたアイデアも秀逸で、子どもだけでなく大人も思わず笑顔になる内容です。癒しと想像の広がりを感じられる、読み聞かせにもぴったりの絵本だと思います。