しまうまのさんぽ/U.G.サトー

『しまうまのさんぽ』(作:U.G.サトー、発行:福音館書店、2005年)は、シンプルながらインパクトのあるグラフィックで描かれた絵本です。白と黒のしましま模様のしまうまが、のんびりとおさんぽする様子を、最小限の言葉と大胆な構図で魅せてくれます。どのページもまるでポスターのようなデザインで、アート感覚も楽しめる一冊。U.G.サトーさんならではのユーモアと視覚の遊び心が光っています。

略歴

U.G.サトー

U.G.サトー(1935年生まれ、東京出身)は、日本を代表するグラフィックデザイナーであり、ユーモアと社会的メッセージを融合させた作品で国際的に高く評価されています。1960年に桑沢デザイン研究所を卒業後、オカ・スタジオでの勤務を経て、1975年に自身のデザイン事務所「デザイン・ファーム」を設立しました。彼の作品は、視覚的なユーモアと鋭い社会批評を組み合わせ、見る人に強い印象を与えます。代表作には、反核ポスターキャンペーンや環境問題をテーマにした作品があり、国内外の多くの展覧会で紹介されています。また、絵本作家としても活動し、『あめかな!』などの作品を通じて、子どもたちにも親しまれています。その功績により、AGI(国際グラフィック連盟)やJAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)の会員としても活躍しています。

おすすめ対象年齢

この絵本は、1歳からでも楽しめそうです。言葉が少なく、コントラストのはっきりした絵が続くので、赤ちゃんの視覚発達にもぴったり。はじめての絵本としてもおすすめで、大人が読んでも「おしゃれ!」と思えるデザインが魅力です。目で見て楽しむビジュアルブックとして、幅広い年齢層に親しまれています。

レビュー

第一印象は「え、これってアートブック?」と思ってしまうほど、スタイリッシュで洗練された絵本です。しまうまの動きもユーモラスで、見ているうちに自然と笑顔に。文字が少ないぶん、読み手の想像力が膨らみます。読み聞かせというより“見せ絵本”として、赤ちゃんにぴったり。ページをめくるたびにデザイン性の高さに感心し、部屋に飾っておきたい気分になります。シンプルだけど奥深い、大人も楽しめる一冊でした。

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