きょうのおべんとう なんだろな/岸田 衿子

『きょうのおべんとう なんだろな』は、岸田衿子さんが文を、山脇百合子さんが絵を手がけた、1994年に出版された日本の絵本です。物語では、くまやうさぎ、りすたちがそれぞれのお弁当を嬉しそうに見せ合います。登場するお弁当の中身がとにかくおいしそうで、ページをめくるたびに「今日のお弁当、なんだろな?」とワクワクしてきます。親子で読むのにぴったりの、ほっこり絵本です。

略歴

岸田衿子

岸田 衿子(きしだ えりこ、1929年 – 2011年)は東京生まれの詩人・児童文学作家・翻訳家。東京芸術大学油絵卒後、絵本や児童書を多数執筆・翻訳し、アニメ『赤毛のアン』や『フランダースの犬』などTV主題歌の作詞も手がけました 。1966年の『かばくん』(中谷千代子絵)でサンケイ児童出版文化賞受賞。1971年に訳した『どろんここぶた』をはじめ、『はろるどのふしぎなぼうけん』『ルシールはうま』などローベル作品の翻訳でも知られています。詩作にも優れ、生涯を通じて子どもたちと詩・物語をつないできた存在です。

やまわき ゆりこ(絵)

やまわきゆりこ(旧姓:大村百合子)さんは、1941年、東京府(現・東京都)に生まれました。東京都立西高等学校を経て、上智大学外国語学部フランス語科を卒業。高校3年生のときに童話の挿絵を手掛けたことがきっかけで、絵本作家としての道を歩み始めました。姉である中川李枝子さんとの共作で「ぐりとぐら」シリーズや『そらいろのたね』など、多くの作品を世に送り出しました。1967年に『ぐりとぐらのおきゃくさま』で厚生大臣賞を受賞し、2013年には菊池寛賞を受賞しています。2022年80歳で永眠されました。

おすすめ対象年齢

この絵本は、2歳〜5歳くらいの未就園児や園児にぴったりです。やさしい語り口と、動物たちのわかりやすい行動描写、そしてなによりお弁当の魅力が視覚的にしっかり伝わる絵で、小さなお子さんの「たべること」への関心を自然に育んでくれます。はじめてのお弁当や遠足の前などに読むと、楽しさ倍増です。

レビュー

とにかく絵がかわいくて、お弁当の中身がすごくリアル! 子どものころ「お弁当って宝箱だよなぁ」と思っていた気持ちを思い出しました。動物たちのやりとりも微笑ましくて、読んでいて自然と笑顔になります。リズムの良い文章で、読み聞かせもしやすいのが嬉しいポイント。ごはんの前やピクニックの準備中に読むと、気分も上がります。お弁当作りの参考にもなりそうで、親子で楽しめる一冊です。