まいごのペンギン/オリヴァー・ジェファーズ

​オリヴァー・ジェファーズ作・絵、三辺律子さん訳の絵本『まいごのペンギン』は、原題『Lost and Found』として2005年にイギリスで出版されました。​日本語版は2005年に発行されています。​物語は、ある日突然少年の家の前に現れたペンギンを、少年が南極まで送り届けようとする冒険を通じて、友情の大切さを描いています。​ジェファーズの柔らかいタッチのイラストは、読者を物語の世界に引き込み、何度も読み返したくなる魅力があります。

略歴

オリヴァー・ジェファーズ

オリヴァー・ジェファーズ (Oliver Jeffers) は、1977年オーストラリア生まれの北アイルランドの芸術家、イラストレーター、作家です。代表作『まいごのペンギン』は 2006 年のネスレ スマーティーズ ブック プライズゴールド メダルとブ​​ルー ピーター ブック アワードを受賞し、同年にはケイト グリーナウェイ メダルの最終候補にも選ばれました。ジェファーズの作品は、ユニークな視点とシンプルで味わい深いイラストが特徴で、子どもたちだけでなく大人にも広く支持されています。他の代表作には『The Incredible Book Eating Boy』、『The Fate of Fausto』などがありイラストを担当した『クレヨンからのおねがい!』(The Day the Crayons Quit)も有名です。ジェファーズは、彼の絵本作品が国際的に認められ、数々の賞を受賞しています。また、彼の作品は他の言語に翻訳され世界中の人たちに愛されています。

三辺 律子(訳)

三辺律子さんは、英米文学の翻訳家。東京都出身で、聖心女子大学英語英文科を卒業後、白百合女子大学大学院児童文化学科を修了されました。在学中に翻訳家の神宮輝夫氏の指導を受け、『こわいものなんて何もない』の翻訳でデビューされました。その後、『龍のすむ家』シリーズや『マザーランドの月』など、多くの児童書やファンタジー作品を手がけられています。また、海外文学ブックガイド「BOOKMARK」の編集人としても活動し、海外文学の魅力を広めることに尽力されています。翻訳を通じて、幅広い世代に物語の面白さを伝えている翻訳家です。

おすすめ対象年齢

絵本『まいごのペンギン』 (Lost and Found) の対象年齢は、一般的に3歳から8歳の子ども向けとされています。この年齢層の子どもたちは、ペンギンと少年の友情が深まっていく様子や、シンプルで温かみのあるイラストに親しみやすさを感じることができます。また、物語が伝える「友達の大切さ」や「思いやり」のメッセージは、読んでいる子どもたちの心に深く響くでしょう。

レビュー

『まいごのペンギン』は、少年とペンギンの純粋で無垢な友情を描いた作品で、読者の心に深く響きます。​言葉が少なくても伝わる感情や、互いを思いやる気持ちが丁寧に表現されており、大人も子どもも共感できる内容です。​また、ジェファーズの独特のイラストレーションは、物語の雰囲気をより一層引き立てています。​この絵本は、友情や思いやりの大切さを再認識させてくれる一冊です。