クレヨンからのおねがい!/ドリュー・デイウォルト

『クレヨンからのおねがい!』は、ドリュー・デイウォルト作、オリヴァー・ジェファーズ絵、木坂涼訳による絵本です。​原作名は『The Day the Crayons Quit』で、2013年にアメリカで出版されました。 ​日本語版は2014年に ほるぷ出版から刊行されています。 ​物語は、少年ケビンがクレヨンたちからの手紙を受け取るところから始まります。​各色のクレヨンが、自分の使われ方に対する不満や要望を手紙で伝え、ケビンに訴えかけます。​オリヴァー・ジェファーズのカラフルで生き生きとしたイラストが、クレヨンたちの個性を引き立てています。​この絵本は、ユーモアにあふれ、子どもたちに想像力や共感の大切さを教えてくれる作品です。

略歴

ドリュー・デイウォルト

ドリュー・デイウォルト(Drew Daywalt 1970年生まれ)はアメリカの作家であり、特に児童文学で知られています。彼はオハイオ州の出身で、ボストン・カレッジで脚本と児童文学を専攻しました。キャリア初期には、ハリウッドでホラー映画や短編映画の脚本家やディレクターとして活躍し、独特のダークなユーモアと物語性を持つ作品で注目を集めました。デイウォルトが児童文学に進出したのは2013年に出版された『クレヨンからのおねがい!』 (The Day the Crayons Quit) からで、この作品は瞬く間にベストセラーとなり、子どもたちに絶大な人気を博しました。続編として2015年に『かえってきたクレヨン』(The Day the Crayons Came Home) も出版され、これも高い評価を得ています。彼の作品はユーモアと創造性にあふれ、子どもたちの視点や感情を的確に捉えることで、親子で楽しめる内容となっています。

オリヴァー・ジェファーズ(絵)

オリヴァー・ジェファーズ (Oliver Jeffers) は、1977年オーストラリア生まれの北アイルランドの芸術家、イラストレーター、作家です。代表作『まいごのペンギン』は 2006 年のネスレ スマーティーズ ブック プライズゴールド メダルとブ​​ルー ピーター ブック アワードを受賞し、同年にはケイト グリーナウェイ メダルの最終候補にも選ばれました。ジェファーズの作品は、ユニークな視点とシンプルで味わい深いイラストが特徴で、子どもたちだけでなく大人にも広く支持されています。他の代表作には『The Incredible Book Eating Boy』、『The Fate of Fausto』などがありイラストを担当した『クレヨンからのおねがい!』(The Day the Crayons Quit)も有名です。ジェファーズは、彼の絵本作品が国際的に認められ、数々の賞を受賞しています。また、彼の作品は他の言語に翻訳され世界中の人たちに愛されています。

木坂 涼(訳)

木坂涼(きさか りょう)さんは、1958年、埼玉県生まれ。和光大学人文学部芸術学科を卒業後、博報堂に勤務されました。1981年、自費出版の詩集『じかんはじぶんを』で詩人としてデビューし、その独特な作風が注目を集めました。1987年には詩集『ツッツッと』で第5回現代詩花椿賞を受賞し、1997年には『金色の網』で芸術選奨文部大臣新人賞を受賞されています。詩人としての活動に加え、エッセイスト、絵本作家、翻訳家としても幅広く活躍されています。特に、創作絵本や海外の児童文学の翻訳に力を入れており、代表作には『みんなおっぱいのんでたよ』(福音館書店)や『あいうえたいそう』(偕成社)などがあります。また、翻訳作品としては『ねずみの歯いしゃさんアフリカへいく』や『ヨセフのだいじなコート』など、多数の絵本を手掛けています。現在も、詩や絵本の創作、翻訳を通じて、子どもから大人まで幅広い読者に親しまれる作品を提供し続けています。

おすすめ対象年齢

『クレヨンからのおねがい!』の対象年齢は、一般的に4歳から8歳とされています。​この年齢層の子どもたちは、カラフルなイラストやユニークなキャラクター設定に惹かれやすく、クレヨンたちの悩みや自己主張にも共感できる時期です。​また、色や感情について学ぶきっかけにもなり、創造性を刺激し、色や形に対する興味を引き出す効果があります。

レビュー

この絵本を読んで、クレヨンたちがそれぞれの視点で自分の思いを伝える姿が印象的でした。​普段何気なく使っているクレヨンにも個性があり、使われ方に対する感情があると想像することで、物の見方が広がると感じました。​また、クレヨンたちの手紙を通じて、多様性や他者の視点を尊重することの大切さを学べる点が素晴らしいと思います。​子どもたちにとって、色や感情について考える良いきっかけとなる作品であり、大人も共感しながら楽しめる内容でした。

続編もおススメです!

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