『ねえ、どれがいい?』は、イギリスの絵本作家ジョン・バーニンガムによる原作 Would You Rather? を、松川真弓さんが翻訳した一冊。1978年にイギリスで刊行され、2010年に評論社から日本語改訳新版として登場しました。内容は、“大洪水に囲まれる家” “ジャングルに囲まれる家” “雪に埋もれる家”…など子どもならではの奇想天外な選択肢が次々と出てくる対話型絵本。子どもは「どれもイヤ!」と大騒ぎしながらも、理由を語りつつ夢中で選ぶ楽しさに没頭します。想像力がビンビン刺激される、新しい発見と笑いが詰まったロングセラーです。
略歴
ジョン・バーニンガム
ジョン・バーニンガム(John Burningham,1936‑2019)はイギリス出身の絵本作家・イラストレーター。ケイト・グリーナウェイ賞を2度受賞するなど、その独特の線と繊細な色使いで世界中にファン多数。代表作には『Mr Gumpy’s Outing』や『Granpa』などがあり、日常の中にある小さなドラマやユーモアを捉える視点が魅力です。1993年刊の『クリスマスのおくりもの』もそんな作風が光る一冊。絵本界の巨匠として、半世紀以上にわたり子どもにも大人にも愛され続けています。
まつかわ まゆみ(訳)
まつかわまゆみ(松川 真弓)さんは、英米の絵本や物語の翻訳家として活躍しています。 代表的な訳書には、エリック・ヒル作の『コロちゃんはどこ?』や、ジョン・バーニンガム作の『ねえ、どれがいい?』、ハリエット・ジィーフェルト作の『アンナの赤いオーバー』など多くの作品を手がけています。彼女の翻訳は、原作の魅力を日本の読者に伝えることに定評があり、子どもから大人まで幅広い層に親しまれています。 特に、エリック・ヒルの「コロちゃん」シリーズや、ジョン・バーニンガムの作品など、仕掛け絵本やユーモラスな作品の翻訳で知られています。 その訳文は、原作の雰囲気を損なうことなく、日本語として自然で読みやすいものとなっており、多くの読者から高い評価を受けています。
おすすめ対象年齢
低年齢の子ども、特に3〜6歳くらいにぴったり。質問形式なので読み聞かせが盛り上がり、子どもが自ら答えを選んで会話が広がります。想像力や理由付けの練習にもなり、小学生になっても楽しめる知育系絵本です。
レビュー
まず、この本を開くと「え?」「なにそれ!」と驚く奇想天外な選択肢の連続。大人なら思わず「どっちもイヤ!」と言いたくなるけど、そこが子どもの面白ポイント。子どもと一緒に「どっちにする?」「どうして?」と対話しながら読むと、笑いが止まらない。選ぶ理由を話しているうちに、会話がどんどん深まっていくのがたまりません。想像力がふくらんで学びにもつながるし、親子で互いの価値観を知るきっかけにも。読み聞かせ会でも大受けすること間違いなし! バーニンガムらしいユーモアと子どもの視点を活かした、会話型の楽しい絵本です。