『わにわにのおふろ』(文:小風さち/絵:山口マオ)は、ちょっと怖くてとってもキュートなワニ“わにわに”が主役。2004年に福音館書店から発行されました。「きゅるり きゅるり」と水栓をひねってお湯を張り、せっけんの泡で遊んだり、シャワーをマイクにして歌い出すわにわには、子どもみたいな無邪気さ満点。木版画のリアルな質感とユーモラスな動作のギャップに、つい笑ってしまう一冊です。大きな擬音と繰り返し表現で、読み聞かせやリズム遊びにもぴったり!
略歴
小風 さち
小風さち(こかぜさち,1955年東京生まれ)は、1977〜87年にイギリス・ロンドン郊外で暮らし、帰国後に絵本作家として活躍。代表作に「わにわに」シリーズや『とべ!ちいさいプロペラき』『はちみついろのうま』などがあります。翻訳絵本や児童書の訳書も手がけ、『ゆびぬき小路の秘密』で1994年に野間児童文芸新人賞を受賞。また、福音館書店や講談社などの児童書出版社を中心に精力的に作品を発表し、現在は東京都在住。独特のユーモアとリズムある文章で、子どもの心をつかみ続けています。
山口 マオ(絵)
山口マオさん(やまぐちまお,1958年千葉県生まれ)は、東京造形大学絵画科を卒業後、木版画を主軸にイラストレーター、版画家として活動。絵本「わにわに」シリーズのほか、『てのひらむかしばなし 十二支のはじまり』や『かにのしょうばい』『なりました』などを手がけ、雑誌・広告・グッズなど多岐に展開。福音館書店、岩波書店、鈴木出版などで作品を発表。絵本づくりでは、作家との共同作業を経て唯一無二の世界観を築くスタイルが特徴です。
おすすめ対象年齢
対象はおおむね2歳〜。ざらっとした木版画のリアルな絵と「ずる ずり ずる ずり」「ぷーぷーららら」などの語感豊かな擬音が中心なので、言葉を覚え始めた幼児でも理解しやすく、声に出して真似ながら楽しめます。おふろ嫌いの子が「おふろって楽しい!」と思えるような魔法の一冊です
レビュー
わにわにのこわモテな表情と、おもちゃで遊んで歌うギャップが最高で、本を開くたびクスっときちゃいます。木版画の質感が本当に素晴らしくて、ページによってはお湯の質感やワニのごつごつ肌が伝わってきそう。擬音が多いから、読み手も自然と大声&ジェスチャーで盛り上がれるのが楽しい!シャワーをマイク代わりにして「うりうり〜オーイェー!」と豪快に歌う姿を想像するだけで、お風呂がもっと笑いと遊びの場になる気がします。子どもも大人も、つい何度も戻ってしまう“クセになる”絵本です。