さるのせんせいとへびのかんごふさん/穂高 順也

『さるのせんせいとへびのかんごふさん』(作:穂高順也/絵:荒井良二)は、1999年にビリケン出版から刊行された、動物村の病院での爆笑ファンタジー絵本です。お医者さんのサル先生と、なんでも道具に変身できる看護師ヘビさんが活躍します。へびさんは風邪には注射器に、胃の検査には胃カメラに、さらには身長計や物干し竿までお手のもの!鼻づまりのゾウさんが来ると、ヘビ看護師さんが鼻腔へスルッと入って診察するシュールな展開に大人も子どもも大爆笑。挿絵の荒井良二さんのユーモラスでシンプルなタッチが、奇想天外なシーンをさらに面白く引き立てています

略歴

穂高 順也

穂高順也(ほたかじゅんや,1969年愛知県生まれ)は、保育専門学校を卒業後、幼稚園・保育園に勤務。その経験を活かして1999年、『さるのせんせいとへびのかんごふさん』(絵:荒井良二)で絵本作家デビューしました。以降、日本児童文芸家協会理事として、30冊を超える絵本や童話を執筆。代表作には『ぼくのえんそく』『ちゅうしゃなんかこわくない』『どろぼうだっそうだいさくせん!』『マーロンおばさんのむすこたち』などがあり、保育・教育現場での実体験をユーモアたっぷりに作品に反映しています。絵本作家として子どもに寄り添った創作を続ける一方、カルチャースクールの講師も務めています。

荒井 良二(絵)

荒井良二(あらいりょうじ,1956年、山形県生まれ)は、日本大学藝術学部出身の絵本作家・アーティスト。1990年に処女作『MELODY』でデビューし、その後ライブペインティングや音楽活動も展開。作品には『スースーとネルネル』『そのつもり』『たいようオルガン』などがあり、1997年小学館児童出版文化賞、1999年ボローニャ国際児童図書展特別賞など多数受賞。2005年には日本人初のアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞するなど国内外で高く評価されています。またNHK朝ドラ『純と愛』の題字・オープニングイラストや山形ビエンナーレの芸術監督など、多方面で活躍中です

おすすめ対象年齢

対象は3〜6歳くらい。リズムある語り口とシュールな展開で子どもの笑いを誘います。注射や胃カメラがへび看護師さんの返信診察でコミカルに描かれているので、医療への不安も笑いに変えてくれる一冊。読み聞かせで「えっ!?」と笑える瞬間があるので、子どもと一緒に盛り上がること間違いなしです 。

レビュー

『さるのせんせいとへびのかんごふさん』は、読んでいて自然と声を出して笑ってしまう一冊でした。動物村の病院が舞台だけど、怖さや不安は一切なく、むしろ楽しいエンタメ空間に早変わり。特に、へびの看護師さんが次々に形を変えて診察をこなす姿が最高で、「まさか、そこまでやる!?」とツッコミたくなるシーンの連続。医療が怖くても、この絵本なら「笑いながら分かる」から親子で安心して楽しめます。病院キライの子にもおすすめ!荒井良二さんのゆるっとした絵が、奇想天外なお話をより親しみやすくしてくれていて、小さな子どもたちにも伝わりやすいのが魅力。