だっこっこ/穂高 順也

作:穂高順也/絵:くわざわゆうこさんの『だっこっこ』は、2018年(岩崎書店)に刊行されたスキンシップ絵本です。パンダ親子の「だっこ だっこ だっこっこ」、コアラの「おんぶ おんぶ おんぶっこ」、ペンギンのぺったん…と、ページをめくるたびにリズミカルなオノマトペと動物親子のふれあいが楽しめます。幼稚園や保育園での勤務経験を持つ穂高順也さんの文章は、親子での読み聞かせにぴったり。くわざわゆうこさんの、優しいタッチと明るい色彩で描かれた動物たちは、見ているだけでほっこりして、抱っこやハグの気持ちが自然に伝わってきます。

略歴

穂高 順也

穂高順也(ほたかじゅんや,1969年愛知県生まれ)は、保育専門学校を卒業後、幼稚園・保育園に勤務。その経験を活かして1999年、『さるのせんせいとへびのかんごふさん』(絵:荒井良二)で絵本作家デビューしました。以降、日本児童文芸家協会理事として、30冊を超える絵本や童話を執筆。代表作には『ぼくのえんそく』『ちゅうしゃなんかこわくない』『どろぼうだっそうだいさくせん!』『マーロンおばさんのむすこたち』などがあり、保育・教育現場での実体験をユーモアたっぷりに作品に反映しています。絵本作家として子どもに寄り添った創作を続ける一方、カルチャースクールの講師も務めています。

くわざわゆうこ(絵)

くわざわゆうこさんは1975年、岐阜県生まれ。編集プロダクションやデザイン会社勤務を経て、2006年にイラストレーターとして独立し、子ども向け絵本や教材のイラストを中心に活動しています。代表作には、石津ちひろさんとの「あわあわふわふわ」「ぶたさんたいそう」(フレーベル館)、またくもん出版からは「に~っこり」「おいし~い」「ばあ~っ!」「ぷっぷっぷ~」など、赤ちゃん絵本でも人気の作品が並びます。温かみのあるかわいいタッチと明るい色使い、ほのぼのとした表情描写で、小さな子どもたちに愛され続けているイラストレーターです。

おすすめ対象年齢

『だっこっこ』は、0歳~2歳くらいの赤ちゃんが主な対象。リズム感のある言葉と動物親子のスキンシップを描くページ構成は、抱っこ読みがしやすく、耳と触れる楽しさが一緒に味わえるファーストブックにぴったりです

レビュー

この絵本を手にすると、もうパンダやコアラたちの「だっこっこ!」「おんぶっこ!」の元気な声が聞こえてきそうで、つい読んでいて笑顔になります。くわざわさんのイラストは、本当に優しくてあたたかく、親子のふれあいが画面から伝わってくる感じ。子どもと一緒に「ぺったんぺったん」って一緒に真似したくなります。掛け合いが多くてテンポもいいので、自然に身体を使った参加読みができて、親子のコミュニケーションが深まる1冊だと思いました。何度も読みたくなる楽しさと、ぎゅっと抱きしめたくなる絵本の魅力、まさにファーストブックの名作ですね。