『かばんうりのガラゴ』(文・絵:島田ゆか/ブロンズ新社/1997年)は、不思議なかばんを売る旅するかばん屋・ガラゴのお話。赤い目にピンと立った耳、左右違う長靴をはいて6本足のついたかばんを引いています。彼の売るかばんは、ただのかばんじゃありません。たとえば「きょうだいがほしい」という子犬には、なんと3匹の子犬が入った入れ子式の“兄弟かばん”を。「ライオンらしく見せたい」というライオンには、たてがみ付きのかばんと、威厳アップのクレヨンメイクまで!お客さんは大満足でお礼にスイカやクレヨンをくれるから、ガラゴもとっても楽しそう。
略歴
島田 ゆか
島田ゆかさんは1963年兵庫県生まれの絵本作家・イラストレーターです。東京デザイン専門学校グラフィックデザイン科を卒業後、企業でグッズのデザインや広告の仕事をしながら、イラストや絵本制作を志しました。1994年、初の絵本『バムとケロのにちようび』(文溪堂)を出版。細部まで描きこまれた緻密な絵と、ユーモラスなキャラクターたちが人気を集め、「バムとケロ」シリーズをはじめ、『ガラゴ』シリーズ、『ぶーちゃんとおにいちゃん』など数々の作品を発表。現在も東京都在住で、創作を続けています。
おすすめ対象年齢
『かばんうりのガラゴ』は、3歳頃から小学校低学年くらいまでの子どもにぴったりの絵本です。ユーモラスで温かいストーリーと細かく描きこまれたイラストが魅力で、読み聞かせにも、自分で読むのにもおすすめ。想像力をくすぐる展開が、子どもたちの心をしっかりつかみます。
レビュー
ガラゴのかばん屋さん、見てるだけでワクワクしちゃいました。こんなに自由で個性的な“かばん”があるなんて!しかも、どのお客さんにもぴったりのかばんを出してくれるガラゴのセンスが最高。たてがみのかばんを渡すだけじゃなくて、クレヨンで目のまわりを描いてあげる気配りも、なんだかやさしくてジーンときました。ページのすみずみまで小さな発見があるから、何度でも読みたくなる絵本です。子どもだけじゃなく、大人もほっこり癒される一冊です。