999ひきのきょうだいのおやすみなさい/木村 研

『999ひきのきょうだいのおやすみなさい』(2020年、ひさかたチャイルド)は、木村研さんのユーモアあふれるお話と、村上康成さんのいきいきとした絵が魅力の人気シリーズ。元気いっぱいの999匹のカエルたちは、冬眠の前に雪を見たいと大はしゃぎ。でも、のんびり屋のお兄ちゃんは眠たそう…。ある日いなくなったお兄ちゃんを探す弟たち。見つけた場所はなんと、ヘビの体の上!お兄ちゃんが食べられちゃうかも?というハラハラの展開に、思わず引き込まれます。

略歴

木村 研

木村研(きむら けん)さんは、1949年、鳥取県生まれの児童文学作家で、手づくりおもちゃや遊びの研究家としても著名。漫画編集者を経て児童文学の世界へ。作家としては「999ひきのきょうだい」シリーズをはじめ、多くの子ども向け作品を発表し、日本児童文学者協会の理事も務めています。『999ひきのきょうだいのおひっこし』は2012年ドイツ児童文学賞にノミネートされ、さらに子どもたちが選ぶ「金の本の虫賞」を受賞。全国各地で絵本やおもちゃづくりの講師としても活躍中です。遊び心とユーモアにあふれた制作活動で、多くの親子に愛されています。

村上 康成(絵)

村上康成(むらかみやすなり)さんは1955年岐阜県生まれ。魚や森など自然をテーマにした作品が多く、「自然派アーティスト」としても知られます。代表作に『ピンクとスノーじいさん』や『なつのいけ』などがあり、1995年には『ようこそ森へ』でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞を受賞。中川ひろたかさんとのコンビでも多くの絵本を手がけ、子どもたちの成長や日常をやさしく描き出しています。個展や講演活動も精力的に行い、絵本の魅力を広げ続けています。

おすすめ対象年齢

対象年齢はおよそ3歳から。小さなお子さんでも楽しめるシンプルで親しみやすいストーリーと、繰り返しの展開が特徴です。読み聞かせにもぴったりで、兄弟姉妹の関係やちょっぴりドキドキの冒険も体験できる一冊。

レビュー

このシリーズならではの、にぎやかなカエルたちの姿に今回も元気をもらえました。冬眠前のワクワクと、兄弟の絆がしっかり描かれていて、読みながら笑ったり心配したり忙しい!ヘビを枕に寝ちゃうお兄ちゃんのマイペースっぷりも最高です。最後はホッとできる展開で、寝る前の読み聞かせにもぴったり。季節感もあって、子どもと一緒に「冬ってどんな感じ?」なんて話も広がりそう。