文:ドリュー・デイウォルト、絵:アダム・レックス、訳:中川ひろたかさんの『でんせつのじゃんけんバトル』(2018年・河出書房新社)は、アメリカ発の超ハイテンションな絵本!原題は The Legend of Rock Paper Scissors(2017年、米国・Balzer + Bray刊行)。「うらにわ王国」の石 グリグリ、「ママのしょさいていこく」の紙 パーぺ、「キッチン共和国」のハサミ チョッキンナ、それぞれ最強だった3人が出会って、まさかの大勝負!ジャンケンがテーマなのに、まるでRPGみたいな世界観で、ユーモア満点のバトルが展開。笑ってドキドキ、読み聞かせも盛り上がること間違いなし!
略歴
ドリュー・デイウォルト
ドリュー・デイウォルト(Drew Daywalt 1970年生まれ)はアメリカの作家であり、特に児童文学で知られています。彼はオハイオ州の出身で、ボストン・カレッジで脚本と児童文学を専攻しました。キャリア初期には、ハリウッドでホラー映画や短編映画の脚本家やディレクターとして活躍し、独特のダークなユーモアと物語性を持つ作品で注目を集めました。デイウォルトが児童文学に進出したのは2013年に出版された『クレヨンからのおねがい!』 (The Day the Crayons Quit) からで、この作品は瞬く間にベストセラーとなり、子どもたちに絶大な人気を博しました。続編として2015年に『かえってきたクレヨン』(The Day the Crayons Came Home) も出版され、これも高い評価を得ています。彼の作品はユーモアと創造性にあふれ、子どもたちの視点や感情を的確に捉えることで、親子で楽しめる内容となっています。
アダム・レックス(絵)
アダム・レックス(Adam Rex)は、アメリカ・アリゾナ州出身のイラストレーター・絵本作家。ペンシルベニア州立大学で美術を学び、卒業後はトレーディングカードやゲーム業界のアート制作を経て、児童書の世界へ。2005年に絵本『Tree-Ring Circus』で作家デビュー。ユーモアたっぷりで迫力あるタッチ、豊かな表情やユニークな構図が特徴で、絵と文の両方を手がけることも多いマルチな才能の持ち主。代表作には、映画化もされた『The True Meaning of Smekday』シリーズや『フランケンシュタイン・メイクス・ア・サンドイッチ』などがあり、どれも独創的な世界観とビジュアルセンスが光る作品ばかり。『でんせつのじゃんけんバトル』では、ジャンケンのキャラたちをまるでアクション映画のヒーローのように描き、大きな話題となった。現在もアリゾナ州在住で創作を続けている。
中川 ひろたか(訳)
中川ひろたかさんは1954年埼玉県生まれ。シンガーソングライター、絵本作家、保育士などさまざまな顔を持つクリエイター。1995年に『さつまのおいも』でデビュー。また『ないた』で日本絵本賞受賞。モー・ウィレムズ作品をはじめ、翻訳絵本も多く手がけ、独自のユーモアある語り口が魅力。さらに作曲された『世界中のこどもたちが』などの歌が、保育現場でも広く親しまれています。
おすすめ対象年齢
対象年齢は4歳くらいから小学生までおすすめ。ジャンケンという身近なテーマにファンタジー要素を加えたストーリーだから、年中〜小学校低学年の子どもにぴったり!読み聞かせにも、ひとり読みデビューにも◎。テンポよく読めて、文字量もちょうどいい感じ!
レビュー
これはもう、ジャンケンの概念がぶっ飛ぶレベルの絵本!グリグリ、パーぺ、チョッキンナがそれぞれ「誰にも負けない最強キャラ」として登場するのが笑えるし、その出会いがバトルにつながる流れもまるで少年漫画。ページをめくるごとに盛り上がっていく構成で、読み聞かせでも絶対ウケる!ナレーション風に読むとより楽しいよ。絵も迫力満点で、キャラクターが超イキイキしてて、大人も楽しめること間違いなし!