ぼくたち子ども宣言/中川 ひろたか

中川ひろたかさん作・田中靖夫さん絵、英訳を中川うみさんとアレックス・モロゾフさんが担当した『ぼくたち子ども宣言』(自由国民社、2011年発行)は、5月生まれの子どもたちへ贈る絵本。子どもたちがこれから大人に向かって歩み出す姿を、「宣言」という形で力強く描いています。紙粘土で作られた立体イラストはあたたかみいっぱいで、見るたびに「ぼくもできる!」という元気がもらえるデザイン。5月の誕生石や誕生花、行事など、季節のミニ情報もたっぷりで、プレゼントにもぴったりな一冊です。

略歴

中川 ひろたか

中川ひろたかさんは1954年埼玉県生まれ。シンガーソングライター、絵本作家、保育士などさまざまな顔を持つクリエイター。1995年に『さつまのおいも』でデビュー。また『ないた』で日本絵本賞受賞。モー・ウィレムズ作品をはじめ、翻訳絵本も多く手がけ、独自のユーモアある語り口が魅力。さらに作曲された『世界中のこどもたちが』などの歌が、保育現場でも広く親しまれています。

田中 靖夫(絵)

茨城県日立市ご出身のイラストレーター、田中靖夫(たなか やすお)さんは1961年〜65年に桑沢デザイン研究所でメディアアートと写真を学び、1961年〜1981年にはトヨタ車を中心とする自動車デザイナーとして活躍。その後フリーランスのイラストレーターとして独立し、粘土や針金を使った立体表現も交えながら広告や書籍装画、絵本など幅広いジャンルで活躍中です。絵本『徒然草』(文:橋本治、河出書房新社、1990年初版)でのユニークな視覚表現も話題となりました。

中川 うみ(英訳)

中川うみさんは、東京藝術大学出身の絵本翻訳家・作家。英語圏の作品を多数訳しており、翻訳絵本を通じて子ども向けの豊かな表現を日本語で伝える役割を担っています。翻訳した作品には人気の「Your Places」シリーズ(ジョン・クラッセン著)などもあり、国内で高い評価を得ています。また、ご自身でも絵本や童話を書き下ろしており、作家・翻訳家として幅広く活動中です。

おすすめ対象年齢

対象は3〜5歳のプレ幼児から小学校低学年くらいと考えられます。言葉の宣言形式でリズム感があり、紙粘土の立体イラストが視覚的にも興味を引き、小さな子どもでも「できた!」「やってみたい!」と感じられるエネルギーがつまっています。

レビュー

子どもたちに「自分が主役」であることを伝える絵本、ほんとうに素敵でした!「宣言」という形式がとても前向きで、読むたびに背筋がピンと伸びる気持ちに。紙粘土のあたたかい質感も、「手づくり感」が伝わってきて、とても愛らしいんです。贈るのも贈られるのも嬉しい一冊。表紙をめくるたびに、子どもの「これから」にエールを送りたくなりました。