『ぷちぷちまめこ』は、作・川北亮司さん、絵・相野谷由起さんによるユーモラスな絵本です。枝豆が大好きなまめこが、もっと食べたい一心で種をまくところから物語がスタート。すると「歌って祈らなきゃ」「踊らなきゃ」と怪しい野菜たちが登場し、あれこれアドバイスをしてきます。本当に芽が出るのはどの方法なのか、読んでいる子どもも一緒にわくわくドキドキ。岩崎書店から2012年に刊行された作品です。
略歴
川北 亮司
川北亮司さんは1947年東京・荒川区生まれ、早稲田大学第一文学部を卒業。1970年に講談社から出た『はらがへったら じゃんけんぽん』で、第4回日本児童文学者協会新人賞を受賞してデビュー。その後、『ふたごの魔法つかい』シリーズや『マリア探偵社』シリーズ、『のんびり森』絵本シリーズなど、幅広い児童向け作品を多数執筆されています。漫画原作やミュージカル脚本など、ジャンルの枠を超えて活躍されていることも特徴です。
相野谷 由起(絵)
相野谷由起(あいのやゆき)さんは神奈川県出身、多摩美術大学絵画科日本画専攻を卒業後、イラストや絵本で活躍する絵本作家です。1987年に日本イラストレーション展・銀賞、同グラフィック展・審査員賞を受賞。1990年にはクレヨンハウス絵本大賞・最優秀賞を獲得。代表作の一つ『うさぎのさとうくん』(小学館)は、第12回日本絵本賞を受賞しました。その他にも『わたしは いま とても しあわせです』(ポプラ社)や『あかちゃんが うまれるまで』(童心社)など、やさしく豊かな表現で多くの絵本を手がけています。
おすすめ対象年齢
対象年齢は、3歳ころ~6歳ころまでとされています。この年齢層のお子さんに向けて、リズム感ある文章とカラフルな野菜キャラで親しみやすく、生き生きとした表現が魅力の絵本です。
レビュー
まめこの「枝豆愛」がとにかくまっすぐで、読んでいて思わず笑顔になりました。そこへやってくる野菜たちの「歌え」「踊れ」といったおかしなアドバイスがテンポよく繰り出され、まるでコントのよう。子どもも「ほんとに?」と突っ込みながら楽しめそうです。絵のタッチも明るく親しみやすくて、キャラクター一人ひとりが個性的。読み聞かせをするときは声を変えて遊んでも盛り上がりそうです。好きなことに一生懸命になれる気持ちを応援してくれるような絵本で、読んだ後に元気をもらえました。