おまかせコックさん/竹下 文子

竹下文子さん作、鈴木まもるさん絵の『おまかせコックさん』(2007年 金の星社)は、元気いっぱいのコックさんたちが大活躍する楽しい絵本です。「おいしいものなら、おまかせ!」と、トマトやレタス、ソーセージ、ゆでたまごなど色とりどりの具材を次々とパンに挟んでいき、やがて世界一大きなサンドイッチが完成!ページをめくるごとに具材が重なっていくリズム感が心地よく、子どもたちも一緒に作っている気分になれます。食べる楽しさや作るワクワク感が詰まった、家族みんなで笑顔になれる一冊です。

略歴

竹下 文子

竹下文子(たけしたふみこ)さんは1957年福岡県生まれ、東京学芸大学卒業。大学在学中から童話の執筆を始め、1978年に「月売りの話」で日本童話会賞を受賞。以降、『星とトランペット』『黒ねこサンゴロウ』シリーズなどで路傍の石幼少年文学賞を受賞し、長年にわたって児童文学・絵本の世界で活躍されています。代表作には『せんろはつづく』『ひらけ!なんきんまめ』『なまえのないねこ』など、受賞歴も多数(絵本にっぽん賞、産経児童出版文化賞、講談社絵本賞など)。静岡県在住で、多くの子どもたちに親しまれている作家です。

鈴木 まもる(絵)

鈴木まもるさんは1952年東京生まれ。東京芸術大学工芸科を中退後、1980年に『ぼくの大きな木』で絵本作家としてデビュー。作品数は200冊以上にのぼります。1995年に「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さし絵賞を、2006年に『ぼくの鳥の巣絵日記』で講談社出版文化賞絵本賞、2015年には『ニワシドリのひみつ』で産経児童出版文化賞JR賞など数々の受賞歴あり。伊豆半島に在住し、画家・絵本作家として活動する傍ら、鳥の巣研究家として収集・展覧会・講演なども行っています。

おすすめ対象年齢

『おまかせコックさん』は、食べ物やごっこ遊びに興味を持ち始める3歳頃から小学校低学年までおすすめです。鮮やかな絵とシンプルな繰り返しの展開は小さな子にも分かりやすく、親子で声に出して楽しむのにぴったり。大きなサンドイッチが完成していく様子は、想像力を広げながら食べる楽しさを学べる魅力があります。

レビュー

読んでいてこちらまでお腹がすいてくる絵本でした。具材がどんどん積み重なっていく様子がユーモラスで、まるで自分も一緒にサンドイッチ作りに参加しているような気分になります。色鮮やかな食材の描写はとてもリアルで美味しそう!小さい子どもは「これ食べたい!」と指を差しながら楽しめるし、大人は童心にかえって笑顔になれます。料理や食べ物の本が好きなお子さんはもちろん、親子で一緒に読むことで会話も広がりそうです。シンプルだけど心に残る楽しい絵本だと思いました。