『うみへいくピン・ポン・バス』は、竹下文子さん作、鈴木まもるさん絵で、2004年に偕成社から刊行された『ピン・ポン・バス』の続編です。駅前を出発したバスが“ピンポン”ボタンで停留所ごとに止まりながら、海を目指す爽やかなバス旅を描いています。パン屋さんや消防署、踏切、トンネル、そしてついに海が見える…そんなワクワクする光景が子ども心をくすぐります。ページの隅々まで描き込まれた町の風景や乗り物たちは、何度読んでも新しい発見があって、乗り物好きなお子さんにもたっぷり楽しめる一冊です。
略歴
竹下 文子
竹下文子(たけしたふみこ)さんは1957年福岡県生まれ、東京学芸大学卒業。大学在学中から童話の執筆を始め、1978年に「月売りの話」で日本童話会賞を受賞。以降、『星とトランペット』『黒ねこサンゴロウ』シリーズなどで路傍の石幼少年文学賞を受賞し、長年にわたって児童文学・絵本の世界で活躍されています。代表作には『せんろはつづく』『ひらけ!なんきんまめ』『なまえのないねこ』など、受賞歴も多数(絵本にっぽん賞、産経児童出版文化賞、講談社絵本賞など)。静岡県在住で、多くの子どもたちに親しまれている作家です。
鈴木 まもる(絵)
鈴木まもるさんは1952年東京生まれ。東京芸術大学工芸科を中退後、1980年に『ぼくの大きな木』で絵本作家としてデビュー。作品数は200冊以上にのぼります。1995年に「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さし絵賞を、2006年に『ぼくの鳥の巣絵日記』で講談社出版文化賞絵本賞、2015年には『ニワシドリのひみつ』で産経児童出版文化賞JR賞など数々の受賞歴あり。伊豆半島に在住し、画家・絵本作家として活動する傍ら、鳥の巣研究家として収集・展覧会・講演なども行っています。
おすすめ対象年齢
対象年齢は主に 2〜4歳くらいがぴったりです。シンプルなリズムのある文章と、色鮮やかで優しいタッチの絵が特徴で、幼児期の読み聞かせにもぴったり。海へと向かうバスの旅を親子で一緒に楽しめます。
レビュー
この絵本、読んでるだけでまるでバスに乗って海へ向かっている気分になれる描写が最高です。町を抜けて、トンネルを越えて、ついに海が見えたページは「うわぁ…!」と思わず声が漏れちゃいます。鈴木まもるさんの絵は、バスの動きや街の描写がすごく丁寧で、親子で一緒に「あ、パン屋さんの前だ!」とか「あの人前にも見たよ」と探し合うのも楽しいんです。海好きでもバス好きでも、子どもも大人も心がふわっと弾む素敵な旅絵本だなと思いました。


