ねこはるすばん/町田 尚子

町田尚子さんの『ねこはるすばん』(2020年 ほるぷ出版)は、猫好きにはたまらないユーモアたっぷりの絵本です。人間が外出したあと「猫はおとなしく留守番している」と思いきや、実は猫には猫の秘密の世界があるんです。カフェに出かけたり、おしゃれをしたり、自由気ままに過ごす姿が描かれています。町田さんならではのリアルで美しい猫の表情としぐさに、ページをめくるたびにクスッと笑ってしまう魅力があります。大人も子どもも楽しめる、猫の魅力がたっぷり詰まった一冊です。

略歴

町田 尚子

町田尚子(まちだなおこ)さんは1968年東京都生まれ、武蔵野美術大学短期大学部を卒業されたイラストレーター・絵本作家です。2007年に『小さな犬』で絵本デビュー。その後、『ネコヅメのよる』『さくらいろのりゅう』『いるのいないの』『おばけにょうぼう』など、温かみのある絵で人気を博してきました。猫が登場する絵本は特に評判が高く、『なまえのないねこ』でもその繊細かつ愛らしいタッチが光ります。複数の絵本賞を受賞しており、猫愛あふれる作品を中心に活躍中です

おすすめ対象年齢

『ねこはるすばん』は、幼児から小学生低学年くらいまでが特に楽しめる絵本です。ストーリーはシンプルながら、猫たちの行動や表情にユーモアがあふれているので、小さなお子さんでも直感的に楽しめます。また、大人にとっても「もし猫が本当に留守番中にこんなことをしていたら?」と想像を広げられる内容なので、年齢を問わず幅広い世代におすすめできます。

レビュー

この絵本を読んで、猫の自由気ままさと人知れぬ生活に思わずにやりとしてしまいました。普段は静かに寝ているだけに見える猫ですが、実は人間の目の届かないところで、こんなにも充実した“秘密の時間”を過ごしているのかもしれないと考えるとワクワクします。町田尚子さんの猫の描写は本当にリアルで、毛並みや目つきなど細部にまで愛情を感じました。猫を飼っている人はもちろん、猫好きなら誰もが楽しめる世界観で、大人が読むと「なるほど、そうだったのか」とクスッと共感できるのも魅力です。