とよたかずひこさんの『まくらちゃんです。』（2015年 童心社）は、やさしい雰囲気に包まれたおやすみ前にぴったりの絵本です。物語は、まくらちゃん一家が元気に朝のたいそうをして、おひさまのもとへ出かける場面から始まります。ぽかぽかぬくぬくと心地よさそうに過ごしたあと、三人は自分たちのおうちへ帰ります。そのおうちとは、ふかふかのおふとん！「いらっしゃいませ～」と招いてくれるまくらちゃん一家に、思わず子どもたちもお布団が恋しくなります。リズミカルな言葉と愛らしいイラストで、寝る前の習慣に自然とつながる一冊です。
略歴
とよた かずひこ
とよたかずひこ（本名：豊田 一彦）さんは、1947年、宮城県仙台市に生まれました。早稲田大学第一文学部を卒業されています。大学卒業後はフリーのイラストレーターとして活動し、長女の誕生をきっかけに絵本作家へと転身しました。1997年には『でんしゃにのって』で厚生省中央児童福祉審議会児童文化財特別推薦を受け、2001年には『どんどこ ももんちゃん』で第7回日本絵本賞を受賞しています。また、『あめですよ』は小学1年生の国語教科書（東京書籍）に採用されるなど、多くの作品が親しまれています。
おすすめ対象年齢
この絵本は、1歳後半からの子どもにおすすめです。言葉のリズムが心地よく繰り返されるので、まだ文字を理解できない小さな子でも安心して楽しめます。寝る前に読むことで「そろそろおふとんに入ろう」という気持ちを自然に促してくれるのも魅力。読み聞かせを通じて、子どもに心地よい眠りへの準備をしてあげられる絵本です。
レビュー
『まくらちゃんです。』は、読んでいるとこちらまでぽかぽかぬくぬくとした気持ちになる絵本でした。特に「ふかふかおふとんにいらっしゃいませ～」という場面は、子どもにとってとても安心できる言葉で、おやすみ前の読み聞かせにぴったりだと思います。日中に元気いっぱい動いた子どもたちも、この本を読めば自然と眠るモードに切り替えられそうです。リズミカルで繰り返しのフレーズは小さな子どもが大好きなので、何度も読んでとせがまれそうな予感。親子であたたかい気持ちになれる一冊だと感じました。
