ちゃわんちゃんです。/とよた かずひこ

とよたかずひこさんの『ちゃわんちゃんです。』(2021年 童心社)は、身近な食器を主人公にした「ですです」シリーズ第6作です。朝の食卓で、ちゃわんちゃんがおわんさんやコップさんに「おはよう」と元気にあいさつ。おわんさんの中にはお豆腐のおみそ汁、コップさんの中には牛乳が入っています。さて、ちゃわんちゃんのなかみは…? 食器たちが生きているかのようなユーモラスなやりとりが楽しく、毎日の食事の時間がもっと愛おしくなる1冊です。

略歴

とよた かずひこ

とよたかずひこ(本名:豊田 一彦)さんは、1947年、宮城県仙台市に生まれました。早稲田大学第一文学部を卒業されています。大学卒業後はフリーのイラストレーターとして活動し、長女の誕生をきっかけに絵本作家へと転身しました。1997年には『でんしゃにのって』で厚生省中央児童福祉審議会児童文化財特別推薦を受け、2001年には『どんどこ ももんちゃん』で第7回日本絵本賞を受賞しています。また、『あめですよ』は小学1年生の国語教科書(東京書籍)に採用されるなど、多くの作品が親しまれています。

おすすめ対象年齢

『ちゃわんちゃんです。』の対象年齢は、2歳ころから楽しめる絵本です。身近な食器が主人公なので、小さな子どもでもすぐに親しみやすく、日常生活と自然に重ね合わせながら楽しめます。シンプルで繰り返しのある展開は、絵本を読みはじめたばかりの子にもぴったり。食事や生活習慣に関心が芽生える時期におすすめです。

レビュー

「ちゃわんちゃん」という存在がとてもユニークで、読んでいると毎日使っている食器たちが本当におしゃべりしているように感じられました。おわんさんの中身やコップさんの中身を見せてもらう場面は、子どもにとってワクワクする瞬間で、ちゃわんちゃんの中身が明かされるところは小さなサプライズのようです。日常の中の当たり前を楽しい物語に変えてしまう、とよたさんの視点が魅力的。読み終えたあと、子どもと「わが家のちゃわんちゃんは何を入れてるかな?」と会話が広がりました。