ドン・フリーマンさんの作・絵、みはら いずみさん訳の絵本『野はらの音楽家マヌエロ』です。音楽が大好きなのに、ひとりぼっちだったカマキリのマヌエロが、本当の友だちと出会って夢をかなえるまでのお話です。この作品は、ドン・フリーマンの最後の絵本として知られています。初版原題は『Manuelo, The Playing Mantis』、初版発行国はアメリカ、初版発行年は1976年。日本語版は2006年にあすなろ書房から発行されました。彼の描く温かい絵と、マヌエロの健気な姿が、心に優しく響く物語です。
略歴
ドン・フリーマン
ドン・フリーマン(Don Freeman, 1908-1978)は、アメリカ出身の画家・絵本作家・イラストレーター。ニューヨークで画家として活動したのち、1950年代以降、児童書や絵本の執筆・挿絵を多数手がけました。代表作といえばまず『Corduroy』(日本語版『くまのコールテンくん』)が長年にわたって親しまれており、全米教育協会「教師が選ぶ子ども向け本TOP100」にも選ばれています。続編として1978年に『コーちゃんのポケット』(A Pocket for Corduroy)も書かれ、絵本だけでなく、背景にニューヨークの街や人々への観察眼からくる静かな感情描写がある点が高く評価されています。
三原 泉(訳)
三原泉(みはら いずみ)さんは、児童文学や絵本の翻訳家としてご活躍されています。彼女の翻訳は、原文の持つ温かさやリズムを大切にしながら、子どもたちにわかりやすく伝えることで知られています。代表作としては、同じくあすなろ書房から出版されている、『うさぎのなみだ』や『ねえさんとは』など、数多くの海外絵本を手がけています。また、ドン・フリーマンの他の作品、例えば『くまのコールテンくん』なども彼女が翻訳しています。児童文学を通して、海外の素晴らしい作品を日本の子どもたちに届けるお仕事をされています。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、だいたい4歳から小学校低学年くらいの子どもたちにぴったりです。文字数は少し多めですが、ひらがなで書かれていますので、ひらがなが読めるようになってきた子なら一人でも読めますし、読み聞かせにも最適です。テーマが「友情」や「夢をかなえること」なので、少し複雑なストーリーも理解できる年齢になると、より深く楽しめるんじゃないかなと思います。大人も一緒に読んで感動できる、素敵な物語です。
レビュー
この絵本、ドン・フリーマンさんの描く絵が本当に素敵なんです!特に、カマキリのマヌエロの表情がすごく豊かで、音楽を奏でる楽しそうな姿や、ひとりぼっちで寂しそうな姿が、見ているだけで伝わってきます。物語も、音楽好きだけど孤独だったマヌエロが、仲間たちと出会い、自分の居場所を見つけていく様子が丁寧に描かれていて、胸が熱くなります。自分らしく生きることの大切さや、仲間と夢を分かち合う喜びなど、読み終わった後に温かい気持ちになれる一冊でした。


