大森元貴の絵本『メメント・モリ』は、2021年にKADOKAWAから出版されました。この作品は、彼のソロデビューEP『French』に収録された楽曲「メメント・モリ」を基に、イラストレーターの大谷たらふと共に制作されたものです。物語は、大切な人を失った少年が天国を探す旅を通じて、死生観や愛の意味を見つめ直す内容となっています。大森の優しい言葉と大谷の温かみのあるイラストが融合し、子供から大人まで幅広い読者に深い感動を与える一冊です。
大森元貴の略歴
大森元貴(おおもり もとき)
大森元貴(おおもり もとき)は、1996年9月14日生まれ、東京都西東京市出身のミュージシャンです。幼少期から音楽に親しみ、小学校6年生の時にはバンドを結成し、オリジナル曲を制作していました。2013年にロックバンド「Mrs. GREEN APPLE」を結成し、ボーカルとギターを担当。2015年にメジャーデビューを果たし、以降、多くのヒット曲を生み出しています。バンド活動と並行して、他アーティストへの楽曲提供やソロ活動も行い、2021年にはソロデビューEP『French』をリリースしました。
大谷たらふ(おおたに たらふ)
大谷たらふ(おおたに たらふ)は、日本の映像作家・アニメーターです。主にNHKの音楽番組「みんなのうた」や「おかあさんといっしょ」などのアニメーション制作を手掛けています。音楽家やプログラマーと作家集団「6nin」で活動し、国内外での作品上映、テレビ、PV、CMや展示用映像など多岐にわたる分野で活躍しています。現在はフリーのアニメーション作家として活動中で、抽象的な形や音を軸にした作品制作を行っています。
レビュー
大森元貴の絵本『メメント・モリ』は、読み手に深く刺さる作品です。この絵本は、ただの物語ではなく、日常ではあまり意識しない「生と死」「愛」のテーマをやわらかく描き出し、読者に問いかけてくれます。大森の歌詞からインスパイアされたストーリーは、感情豊かで、絵本というフォーマットの中で、哲学的な深みを表現しています。
イラストレーターの大谷たらふの絵も本作の大きな魅力です。柔らかく温かみのあるタッチで描かれる世界は、どこか夢のようでいて、時に哀愁を感じさせ、読者の心に寄り添います。特に、主人公の少年が天国を探しながら成長し、大切な人とのつながりを見つめ直す場面は、年齢を問わずに心に残るシーンです。大森の優しい表現と大谷の美しいイラストの融合が、単なる絵本以上の感動を生み出していると感じました。
この絵本は、幼い子供には生と死をやさしく考えさせ、大人にとっても忘れがちな大切なことを思い出させてくれる一冊です。