パオちゃんのクリスマス/なかがわ みちこ

『パオちゃんのクリスマス』は、ぞうのパオちゃんと友だちが楽しいクリスマスパーティーの準備をするお話です。ツリーを飾ったり雪だるまを作ったりしながら大忙しのパオちゃんたち。お母さんが大きなクリスマスケーキを焼いていると、「くんくん、いいにおいがするぞ」と香りに誘われてみんなでお手伝いします。するとなんと、サンタクロースがドアから入ってきて「メリークリスマス!」と登場。家族と友だちみんなで過ごす温かい時間が優しいタッチの絵で描かれていて、季節感たっぷりの一冊です。1992年にPHP研究所から発行されたロングセラー絵本です。

略歴

なかがわ みちこ

なかがわみちこ(仲川 道子)さんは 1948年、東京都生まれ の絵本作家・イラストレーターです。明るく温かい絵柄と、子どもたちの心に寄り添うストーリーで長年親しまれてきました。絵本だけでなく、紙芝居作品も多数手がけ、多くの作品が世代を超えて読み継がれています。代表作には、ぞうのパオちゃんが主人公の「パオちゃん」シリーズ、色とりどりのかえるたちが登場する「10ぴきのかえるシリーズ」、子どもが親しみやすい「かわいいむしのえほん」シリーズなどがあり、どれも幼児~幼児教育現場で人気です。これらの作品はシンプルで楽しい世界観で、親子の読み聞かせにもぴったりです。紙芝居『たんたんとんとん』など、絵本以外でも子ども向け作品に幅広く取り組んでいます。

おすすめ対象年齢

この絵本は 3歳〜5歳くらいの幼児 を中心に楽しめます。いろいろな動物の友だちとのやり取りや、クリスマスの準備・ケーキ作りといった楽しい場面が多く、小さな子どもでもストーリーがわかりやすく理解できます。また、読み聞かせにもぴったりな優しいリズムの文章とイラストなので、親子で一緒に楽しむのに向いています。季節の絵本としても人気の高い1冊です。

レビュー

読んでいて心がほっこりする絵本だと感じました。パオちゃんたちが友だちと力を合わせてクリスマスの準備をする様子は、とても微笑ましくて、小さな子どもでも共感しやすいです。雪遊びや飾りつけ、ケーキを囲んで過ごす場面には季節の楽しさがぎゅっと詰まっていて、読んでいるこちらまでわくわくします。特にケーキ作りのシーンは香りや音まで想像できるようで、読み聞かせにもぴったりです。最後にサンタクロースが登場するサプライズもあって、幼児のクリスマスへの期待感をぐっと高めてくれる絵本でした。何度でも読み返したくなる、冬の定番絵本です。