パオちゃんのおたんじょうび/なかがわ みちこ

『パオちゃんのおたんじょうび』は、なかがわみちこさん作の人気「パオちゃんシリーズ」の一冊で、1997年にPHP研究所から発行されています。今日はパオちゃんの誕生日なのに、なかなか友だちが来てくれず、待ちきれなくなり、自分から友だちを迎えに行くと、みんな実はパオちゃんのために一生懸命プレゼントを作っていました。花の腕輪や心のこもった贈り物を受け取り、パオちゃんは大喜びです。誕生日パーティーでは歌って踊って大騒ぎ。ろうそくを吹き消す場面では、思わぬハプニングも起こります。だから、待つだけでなく行動する大切さや、友だちの思いやりが自然に伝わる温かい絵本です。

略歴

なかがわ みちこ

なかがわみちこ(仲川 道子)さんは 1948年、東京都生まれ の絵本作家・イラストレーターです。明るく温かい絵柄と、子どもたちの心に寄り添うストーリーで長年親しまれてきました。絵本だけでなく、紙芝居作品も多数手がけ、多くの作品が世代を超えて読み継がれています。代表作には、ぞうのパオちゃんが主人公の「パオちゃん」シリーズ、色とりどりのかえるたちが登場する「10ぴきのかえるシリーズ」、子どもが親しみやすい「かわいいむしのえほん」シリーズなどがあり、どれも幼児~幼児教育現場で人気です。これらの作品はシンプルで楽しい世界観で、親子の読み聞かせにもぴったりです。紙芝居『たんたんとんとん』など、絵本以外でも子ども向け作品に幅広く取り組んでいます。

おすすめ対象年齢

対象年齢は3歳〜6歳くらいが目安です。誕生日という身近なテーマなので、小さな子どもでも状況を理解しやすく、共感しながら楽しめます。友だちとの関わりやプレゼントの意味など、幼児期に大切な気持ちがやさしく描かれているため、読み聞かせにもぴったりです。誕生日が近い時期に読むと、より気持ちが盛り上がります。

レビュー

この絵本は、誕生日のうれしさだけでなく、少し不安になる気持ちまで丁寧に描かれているところが印象的でした。友だちが来なくて心配になるパオちゃんの姿は、とても人間らしくて共感できます。でも実はみんなが陰で準備していたという展開がとても優しく、読んでいて胸があたたかくなります。プレゼントが「手作り」なのも素敵で、気持ちが何より大切だと伝えてくれます。だから、誕生日絵本としてだけでなく、友だち関係を学ぶ一冊としてもおすすめしたいです。