『もったいないばあさんの いただきます』は、好き嫌いをする女の子の前に、あの元気なもったいないばあさんが登場するお話です。「にんじんきらい」「ピーマンきらい」と言う女の子に向かって、もったいないばあさんは食べ物の役割だけでなく、作ってくれた人の気持ちや、大切に育てられてきたことを教えてくれます。食べることのありがたさが、やさしい言葉で伝わってくるのが印象的です。真珠まりこさんの描くキャラクターは表情豊かでユーモラスなので、注意されている感じがなく、自然と話が心に入ってきます。食事の時間に読みたくなる、あたたかい食育絵本です。
真珠まりこの略歴
真珠まりこさん(しんじゅまりこ)は、兵庫県神戸市出身の絵本作家です。 神戸女学院大学を卒業後、大阪総合デザイン専門学校で絵本制作を学び、さらにニューヨークのパーソンズ美術大学でも研鑽を積まれました。
1998年、アメリカで初の絵本『A Pumpkin Story』を出版し、絵本作家としてデビューされました。その後、2004年に発表された『もったいないばあさん』は、キャラクターの人気も相まって、毎日新聞や朝日小学生新聞など多くのメディアで連載され、また環境問題を子ども向け絵本として真正面から扱った点でも注目されて学校や家庭での読み聞かせを通して大きな反響を呼びました。その後シリーズ化され、『もったいないばあさん』シリーズとして「もりへ いく」「かわを ゆく」などへと世界が広がっていきます。
2008年からは、「もったいないばあさんのワールドレポート展」を開催し、地球上で起きている問題と、それに巻き込まれる世界の子どもたちの現状を伝える活動を続けておられます。
主な作品には、『おべんとうバス』『おでんのゆ』『ぽんぽん』『おたからパン』などがあり、2024年には新刊『もったいないばあさんのおばあちゃん』と『キノコのしろちゃん』を発表されています。
おすすめ対象年齢
対象年齢は4歳〜8歳くらいが目安です。好き嫌いが出てくる時期の子どもにちょうどよく、食べ物の役割を知ることで興味が広がります。文章はテンポがよく、イラストも表情豊かなので、読み聞かせにも向いています。小学校低学年の食育導入にも使いやすい内容です。
レビュー
この絵本は、「食べなさい」と言われる前に、食べ物の向こう側にある気持ちをそっと教えてくれるところが好きです。もったいないばあさんの言葉ははっきりしていますが、怖さはなく、どこか楽しくて憎めません。野菜や食べ物が大切に育てられ、美味しく食べてもらおうと作られたのが伝わるので、自然と「いただきます」「ごちそうさまでした」と声に出ますね。真珠まりこさんのイラストも親しみやすく、説教くささを感じません。読み終えたあと、食卓での声かけが少し変わりそうだなと思える一冊で、親子で一緒に読む価値のある絵本だと感じました。

