西内ミナミ作、堀内誠一がイラストを手がけた『ぐるんぱのようちえん』は1966年に初版が発行されたロングセラー絵本です。この物語は、仕事を転々とするも失敗続きのゾウ・ぐるんぱが、子どもたちのための幼稚園を開いて成功を収める心温まるストーリー。ぐるんぱの挑戦と成長、そして周りの人々との触れ合いを通じて、個性や居場所の大切さを感じさせてくれる作品です。親子で楽しめるだけでなく、読後には温かい気持ちが広がります。堀内誠一の愛らしいイラストが物語に命を吹き込み、子どもたちに強く支持されています。
略歴
西内ミナミ
西内ミナミ（1938年生まれ）は京都市出身の絵本作家です。東京女子大学に進学。在学中から児童文学の創作を志し、卒業後は広告会社で約10年間コピーライターとして勤務しました。
その後、堀内誠一氏の勧めで絵本制作に取り組み、1966年に初の絵本『ぐるんぱのようちえん』を発表。以降、『おもいついたらそのときに！』や『しっこっこ』など、多数の作品を手がけました。
堀内誠一
堀内誠一（1932年生まれ）は、東京府向島（現・墨田区）出身のグラフィックデザイナー、エディトリアルデザイナー、絵本作家です。父・堀内治雄も図案家で、堀内は幼少期からデザインに親しみました。14歳で伊勢丹百貨店に入社し、ウィンドウディスプレイやレタリングの仕事を担当。その後、アド・センター株式会社を設立し、雑誌『an・an』『POPEYE』『BRUTUS』『Olive』のロゴデザインを手がけました。また、絵本作家としても活躍し、『ぐるんぱのようちえん』や『たろうのおでかけ』など、多くの作品を残しました。1974年から1981年までフランス・パリ郊外に移住し、現地の文化や芸術にも触れ、パリ在住日本人向けミニコミ誌の創刊に参画しました。1987年に逝去。
おすすめ対象年齢
『ぐるんぱのようちえん』は、主に3歳から小学校低学年（3歳～7歳）を対象とした絵本です。簡潔でわかりやすい言葉とテンポの良い物語展開が幼い子どもたちに親しみやすく、堀内誠一の温かみのあるイラストが魅力を引き立てています。ぐるんぱの失敗と成長を描いた内容は、子どもたちに勇気や自己肯定感を与えるとともに、大人も一緒に楽しめる深みがあります。読み聞かせや自分で読む楽しさを提供する作品として、幅広い年齢層に支持されています。
レビュー
『ぐるんぱのようちえん』は、失敗を繰り返しながらも自分に合った居場所を見つけていく主人公ゾウ・ぐるんぱの物語が心に響く絵本です。ぐるんぱの奮闘は、子どもたちに「失敗しても大丈夫」というメッセージを伝え、挑戦することの大切さを教えてくれます。また、堀内誠一が手がけたカラフルでユーモラスなイラストが物語の温かみを一層引き立てています。特に、ぐるんぱが作る巨大な靴やお皿など、子どもたちの想像力をかきたてるシーンは印象的です。この絵本は、単なる子ども向けの読み物にとどまらず、大人が読んでもほっと心が温かくなる作品です。読み聞かせにも最適で、親子で楽しめる絵本として長年愛されている理由がよくわかります。
