100かいだてのいえ/いわい としお

いわいとしお氏の『100かいだてのいえ』は、2008年に発行されたユニークな縦長の絵本です。主人公の少年が一通の手紙を受け取り、100階建ての家を訪れる冒険が始まります。各階に住む動物たちとの出会いを通じて、個性豊かな住まいや暮らしの工夫が描かれており、読む人をわくわくさせます。縦にページをめくる特別な形式は、読者にまるで本の中を登っているかのような体験を提供します。細部までこだわった美しいイラストと、シンプルながら引き込まれるストーリーが魅力の一冊です。親子で楽しめる作品として、多くの読者から愛されています。

略歴

いわいとしお(岩井俊雄)さんは1962年、愛知県西尾市生まれのメディアアーティスト・絵本作家です。筑波大学大学院芸術研究科を修了後、実験映像やインタラクティブアートで注目され、1985年には『時間層II』で現代日本美術展大賞を最年少で受賞。テレビ番組『ウゴウゴルーガ』のCG制作や、任天堂『エレクトロプランクトン』、ヤマハとの電子楽器『TENORI-ON』開発など、多岐にわたる創作活動を行ってきました。2006年からは絵本作家としても活動を始め、2008年刊行の『100かいだてのいえ』はシリーズ累計400万部を超える人気作となっています。

おすすめ対象年齢

『100かいだてのいえ』は、主に3歳から小学校低学年(7〜8歳)までの子どもを対象とした絵本です。シンプルで親しみやすいストーリーと、動物たちの個性あふれる暮らしを描いた細かなイラストが、小さな子どもにも興味を引きつけます。また、縦長のページ構成が特徴的で、物語に登場する「100階」という数字や階層の変化を楽しむことができ、数字や順番に興味を持ち始める年齢層にも最適です。親子で一緒に読むのにもぴったりの作品です。

レビュー

『100かいだてのいえ』は、独創性と楽しさにあふれる絵本だと感じました。縦に開くというユニークな形式は、読者に物語の世界を実際に「登っている」ような感覚を与え、子どもたちにとって新鮮で刺激的です。各階に住む動物たちの暮らしが細やかに描かれており、一つ一つの階で発見があるため、ページをめくるたびにワクワク感が続きます。シンプルなストーリーでありながら、動物たちの多様な暮らしぶりが奥深さを加えており、大人も子どもと一緒に楽しめます。また、数字や構造を通じて学びの要素も含まれており、親子のコミュニケーションツールとしても最適です。全体的に、創造力を掻き立てる素晴らしい絵本だと感じます。

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